表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
37/225

ひと を 呪わば穴ふたつ 27

「井川次第では……って、悠里はどうしたらいいんですか?」


「霊と波長を合わせないこと」


 橋本先輩は悠里の目を見つめて続けた。


「誰かを妬んだり恨んだりすれば、同じ感情をもったまま成仏できない霊と波長が合い、心身とも不健康になった時、それに憑りつかれやすくなる。逆に言えば、強い健康的な心を持てば、そう簡単に霊と波長が合う事はないはずだ。ここに来る霊は生霊とは違う。そんなに力は強くない」


 また、誰かに生霊を飛ばしたりすれば、心や体に隙ができる。

 自分と他人を比べないで、自分の世界を持てば妬みも生まれない。


 折角だから弓道に専念してみろ、と橋本先輩は最後にそこへ結界を張っていた。


 ※ ※ ※


「あとは朝美ちゃんが元気になることだなぁ、退院したら学校に戻ってくるかな?」


 井川の家を出て、ノロノロと歩いていた堀がスマホを取り出した。


「あ、″骨が繋がったらリハビリ開始♪″ だって。とりあえず良かった」


 長野朝美の再開したSNSの投稿を確認しているようだ。


「……それにしても悠里の好きな人って誰だったのかな、結局訊きそびれちゃった」


 少しだけ元気を無くした山城リリは、軽くため息をついていた。


 俺は、この時、おそらく一人ほくそ笑みを浮かべていただろう。


 女ってどんな時でも、″恋愛″ だよな。


 こんな時にでも、誰が誰を好きだとか気になるもんなのか。


「私、てっきり悠里の好きな人は堀先輩だと思ってたのに」


 その発言に、堀が、「なんでなんで?!」と食い付きまくる。


「もしかして、あいつ、俺のこと、カッコいいとか言ってた?!」


「そうじゃないです。前に、悠里が、″私、ダメな男が好き″ って言ってたから……」


 山城が真面目な顔をして答えるも、堀が悲しそうに顔を崩していた。


「おっまえ、俺のこと先輩と思ってねぇだろ?」


「じゃ、俺、こっちだから」

 

 分かれ道。

 自転車に股がって、二人を置いて先に行こうとしたら、


「さっきからニヤニヤしてるお前、橋本千尋!お前ってナニモンなんだよ!」


 また、堀が俺の自転車の荷台を掴んで絡んできた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ