表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
32/225

ひと を 呪わば穴ふたつ 22

「……そうなの?」


 悠里が頷く。


「中学校一年の時に同じクラスで、私もそこそこ目立ってたから同じようなグループに入ってつるんでた」


 その話に違和感はない。

 朝美も悠里も、見た目も性格もあか抜けてるし、似たようなタイプだと思う。


「でも、朝美が好きな男の子が、私に告ってきてから関係がギクシャクなっちゃって」


 続くリア充の話に羨ましさを感じつつ、イメージしたら、それは最悪かもと思った。


「今と変わらず学校で一番の美女だったから、″あの朝美がフラれた″ って凄い噂になって、その男の子、転校しちゃうくらい学年中の男子にいじめられたし、私も皆に口きいてもらえなくなった……」


「その状態がずっと……?」


 地獄だな、と思いながら尋ねたら、それはなかったという。


「二年になったら、シカトはなくなったけど、元いたグループには入れなかった。それでも、友達はできたし、高校までは平穏に過ごせたんだよね」


 悠里が泣きそうな笑顔を作る。


「同じ高校になるなんて思わなかった。朝美は私立高校に行くって聞いてたのに」


「高校で何かあったの?」


 悠里が朝美にいじめられてる、とか。そんなの今まで聞いたことなかった。

 俯きがちな悠里の顔を覗きこむと、大きな目からポロッと滴が落ちた。


「……何もないよ。過去、何もなかったかのように、同中ってだけでライングループに入ってるし、インスタもツイッターもお互いフォローしてる……」


「じゃあ、なんで……」


「私にだけ、なんにも反応ないのよ」


「え……」


 一瞬、何のことかと思った。


「私の投稿にだけ、あの子、ノーリアクションなの」


「あ、あぁ――……」


 そういうことか――。


 悠里が眉間に皺を寄せて、とても悔しそうに言うから、本人にとっては大きな問題なんだろう。


「名前しか知らないような同級生にもイイネ押したりしてるのに、私だけは徹底無視。ひどくない?」


「……う、うん」


 良かった、私、SNSやってなくて。

 存在感薄い私なんて、スルーは当たり前になってたかもしれない。


「表向き、私とも仲悪く見せないようにしてるけど、根っこは中学のことずっと引きずってるのよ、……私のこと許してないの」


 悲し気だった悠里の顔がだんだん、険しくなってきた。

 許してないって、なんだかへん。

 彼女の話を聞けば、悠里は中学の時は、むしろ被害者でしかないと思う。

 それでも、高校生になってからは、呪いかけるほどの問題は起きていない気がした。


「近頃は、当てつけみたいに私の好きな人にちょっかい出すようになってた……」


 “恋愛”。


 やっぱり、一番のもつれは、これだった。


 掛け布団を握りしめる悠里の手は、怒りで震えている。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ