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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
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ひと を 呪わば穴ふたつ 1 9

  しかし山城は、自信なさげな表情で首を横に振った。


「悠里は友達だけど、今はちょっと怖いんです……。良かったら先輩も一緒に来て貰えませんか?」


「……俺が一緒だと本音語らないんじゃない?」


 俺には現世で友達というのがいないからわからないけど、親友になら何でも話すんじゃないだろうか?


「なら、俺も一緒に行ってやるよ。悠里なら、よく話す後輩だし、千尋よりも場を和ませる自信あるぜ」


 山城の不安な気持ちもわかるし、堀のいう事ももっともな気がして、俺は明日、堀と一緒に井川悠里の家へ行く事にした。


 ――それにしても。


 山城はともかく。

 テスト勉強そっちのけで友達でもない恋人でもない奴のために、ここまで尽力する堀って、いったい何を考えてるんだろう?

 俺みたいに進学しないつもりじゃないだろうし、期末テストを舐め過ぎてないか?

 俺にはお人好しの気持ちがわからない。


 それに、俺も、なんであんなに必死になってしまったんだろう?


 もしかして、“橋本千尋” が消え始めて、“安倍吉近” に近づいている証拠だろうか?









 * * *


 私は歴史が好きで、小説や漫画、映画もよく時代モノを観る。

 その中でも、【陰陽師系】は好物で、あの映画を観てから主役をした能楽師でもある俳優さんのファンになったほどだ。


 だから、橋本先輩が白い和紙を飛ばした時、思わず口に出して言ってしまった。


『形代……擬人式神』


 人形に模した紙に呪文を唱えてそっと息を吹きかけるという秘儀により魂が宿り、鬼神などを召喚する事で陰陽師の思い通りに動く。

 まさに映画で見た《《あれ》》を、橋本先輩が試みようとしたことに驚いた。


 ……ううん。

 違う。

 驚いたけど、あまり、違和感を持たなかった。

 だって、先輩はやはり普通の男の子とは違う気がしてたから。


 それに――

 うちのお父さんにお祓いをして貰った時、私、ぼんやりと見てしまったもの。

 橋本先輩の背後に、平安時代の人がいた。

 あれが何だったのか、誰なのかもわからないけれど――






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