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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
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ひと を 呪わば穴ふたつ 12

  死んだ人間の霊なら成仏で消えるけれど、生霊は祓ってもまた飛んでくることもある。


「じゃあ、朝美はずっと生霊にのつきまとわれなきゃいけないのかよ?」


 堀は、例の鏡の写真をスマホから削除して言った。


「生霊飛ばすほど……呪うほど二人の間に何かあったのか?」


 ようやく顔色が戻ってきた山城に聞いても、首を傾けて考え込んでいた。


「そこまでの二人の接点もトラブルも思い付かない」


 単なる人気者への妬みか。

 それとも――


 とりあえず、呪いを解いて、それから井川悠里の恨みに変わった根源とやらを払拭してやらない限り、問題は解決しない。


「……橋本先輩は、全部見えてるんですか?」


 学校を出た所で、山城がおずおずと尋ねてきた。


「……ああ、見えてるよ。強い霊も、小さな動物霊も」


 だから悪い気のある場所では、ついて来られないように結界を張っている。


 明日もテストだというのに、俺は、井川悠里がかけた呪いを解くために、《ブツ》を探さなければならなかった。


 俺はまだ現世で式神(眷属あるいは動物霊)を遣ったことはない。

 通常、霊能者は日頃から自分の気や念も補給し,眷属の世話をするらしい。しかし、今まで遣うつもりもなかったから、それらに何かをしたことはない。


 陰陽道自体、明治期に壊滅的打撃を受けて表舞台から姿を消している。

 戦後復活した土御門家は形骸化しているという。

 しかし、陰陽道の本流であるいざなぎ流ならば式うちもできるはず。


 俺は、普段から塩や護符と一緒に持ち歩いている紙を引き結び、記憶に残る呪文をかけた。


六根清浄ろっこんしょうじょう急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう






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