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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
二 渦
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ひとを呪わば穴ふたつ 5

「誰が生き霊だ。そもそもお前みたいな軟弱なチャラ男に憑いて何の得があるんだ? ああ?」


「せ、先生、いたんですか?」


 後ろに気が付いた堀先輩が思い切り顔を引きつらせていた。

 副顧問の先生は、顔はいかつく、体はとてもガタイがいい。だからこそ矢が刺さっても軽症で済んだんだろう。


「なんで生き霊なんて突拍子もない事言い出してるんだ? オカルトオタクか?」


「い、いや、この頃、俺 的中率下がっちゃってもしかしたら、誰かに恨まれてんのかなぁと」


「己の不調を他人のせいにするな。大体、堀は注意力が足らないから事故起こすんだ。違うか」


「は、はい」


 藪蛇やぶへびだ。

 シュンとする堀先輩を尻目に、橋本先輩が自転車をこぎ始めた。


「あ、あの! 橋本先輩!」


 思わず今度は私が先輩を呼び止める。勿論、荷台を掴んだりはしてない。しかし、先輩は止まってくれた。


「この前、し、塩ありがとうございました。おかげさまで身体がスッキリしました」


 ようやく、お礼が言えた。

 橋本先輩は少しだけ頬を緩ませて、何も言わずに去って行ってしまった。


「あいつ、相変わらず無愛想だなぁ」


 先生と堀先輩は呆れていたが、私は満足だった。


 ……先輩がちょっと笑ったからだ。



 ――――数日後。


「今、二年の女子二人が鬱で学校休んでるんだって」


 学校帰り、前を歩く三年生の女子達が話していた。


「一人はあの長野朝美って子でしょ? 芸能人並みに可愛いっていう」

「そこまでないよ。あげた写真はだいたい加工して盛ってあるし、そもそも整形って噂だよ」

「やっぱりねー。私も見たことあるけど、ストーリーもうざかったよね。自分大好き!って伝わってきたもん」


 女ってこわいな。

 ウザかったら見なきゃいいのに。

 バス停で足を止めると、噂話をしていた三年生の姿は見えなくなった。

 何となくホッ……。


 テスト前なのでベンチに腰を下ろし、単語帳を開いて時間を潰す。

 こういう時にSNSやってたら、あっという間に時間はなくなっていくんだろうな。

 私にとっては、バスを待つ間も、乗ってる時も貴重な勉強の時間だ。


 そろそろバスが来るなと思った頃、


「おい、ガリ勉少女」


 いやな呼び方をされて顔を上げると、目の前に堀先輩と橋本先輩が立っていた。







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