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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
七 サヨナラ third
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救いと導き 6

 橋本先輩から貰った護符のおかげか、呪われることはなかったけど、一番こたえる報復を食らってしまった。

 皆の冷たい視線で体中が痛い。


 HRが終わると、入口で、しきりに私に手を振る男子に気が付いた。


「なに、あの眼鏡、必死、ウケる。誰に用?」


 周りの女子がヒソヒソと話し、馬鹿にした目で見ていたのは、オカルト研究部の原田くんだった。


「山城さん!」


 名前を呼ばれて重い腰を上げる。


「……どうしたんですか? なんかあったんですか?」


 呪い関係だったらもう勘弁。

 原田くんは教室からの不躾な視線を少し気にしつつ、声を落として答える。


「うん、あのさ、今日、橋本くん休むって言ってた?」


「いいえ。そんなこと一言も……」


「例の参議院議員の人から、また連絡あってさ。内容伝えたくて橋本くんの教室行ったんだけど見当たらなくて」


「え」


 またまた嫌な予感しかしない。

 橋本先輩、まさか、船に乗りに行ったんじゃないよね?


「……で、その議員さんは、なんと連絡してきたんですか?」


 橋本先輩のことは凄く心配だけど、事件の進展も気になる。


「これ、見て」


 胸をざわつかせながら、原田くんの持つスマホを覗く。


 原田くんは、議員さんとキャリアメールでやり取りしてるようだった。

 メールに画像が添付されていた。


「この議員は、市橋さんていうんだけど、同じ党員に、自家用ヘリ持ってる人がいるんだって」


「へぇ、すごい」


「で、その人は、政治家になる前は、パートナーと自家用ヘリで国内制覇を目指してたこともあるんだと。その時に、例の島の上空で写真を撮ってたらしくて」


「……これが……?」


 これが、竹本浩介のアトリエ兼ジュピルマン・エンターテイメントの養成所?

 砂浜と山しかない島に、工場っぽい施設のような建物が一つだけ。

 海外みたいな豪邸想像してたから、ちょっと意外だった。


「で、市橋さんが、今度、島を上空から見て、目で確かめるって」


「どうせなら着陸して調べてくれればいいのに」


 無知な私は、簡単な事だと思って言った。


「ヘリコプターって、どこもかしこも着陸できないんだよ。それに、もし、万が一、不当占拠してる外国の軍とかなら、攻撃受けるかもしれないし安易に降りれないって」


「そ、そっか」


 そんな危険もあるかもしれないのに、もし、橋本先輩が船に乗って島に上陸しようとしてたら、どうしよう?


 不安が一気に募った。



 



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