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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
六 サヨナラ second
135/225

愛と呪縛 23

「……それって、遊園地が子供の行方不明に関わってるってことですか?」


 原田にDMを送ってきた参議院議員も、それに疑問を抱いたって――


 《たぶん、そこだけじゃない。同じ企業グループの遊園地は同じ手口で子供達の拉致に関わっている》


「そのまま、無人島の例の施設に連れて行かれてる……」


 《全部ではないと思う。あの施設はロリコン変態悪魔崇拝者のパラダイスになってるが、大国の臓器売買組織にそのまま売られていく子供達もいるだろう。それは、大人も含めてだけど》


 大国……。

 大国ってどこだ?……。


「あの、竹森隆って、【ゴールド・スター】というか【ルーメン】のメンバーではないんですよね? 息子だけがどっぷり浸かってるだけで」


 《彼はまともな政治家だったからな。大国の属国であることから脱したいと、それを公に掲げてたから、反感を買い、汚名を着せられ、バカ息子を人質に取られ、表舞台から消されたんだろう。今でもずっと命を脅かされてるはずだ》


 やっぱり。


「じゃあ、【ルーメン】のラスボスって、その大国の政治家だとかですか?」


 これには、滋岡はまた言葉を濁した。


「何回も言うが【ルーメン】は、フィルターだ。そして、()()()に″国″ という概念はない。自分たちと、自分たちに都合のいい人間以外は国境を越えて家畜なんだ。それは政治家も同じ。単なるコマにしか過ぎない。やつらは大国を牛耳り、甘い蜜を吸い付くし、ボロボロにしたあとターゲットを別国に変えた。今の世界情勢を見ればわかる」


 濁しまくっているが、高校生の俺でもわかる。


「だから、救えないかもしれないって言ったんですね?」


 敵がデカすぎる。

 敵と呼ぶには相手が大きすぎ、俺たちの身の回りで起きてる殺人事件や拉致事件なんて、とても小さな事のように思えてくる。


 山城リリの言葉を思い出した。



『私たちみたいな一般人は簡単に殺されて、犯人たちは守られてる。悪魔崇拝組織より、警察より上の層の人たちって、なにがしたいんですか?』


 小さな島国での犯罪なんて、何か起きたことにもならない。

 儀式のあとに殺すなんて、奴等の末端の遊びにしか過ぎないのだ。


 《君の友達のTwitterアカにDMきた参議院議員については、こっちに情報を回してくれれば連携して捜査していく。【紫音】は君たちが追い込まれれば、きっと本物の陰陽師の隠れ蓑に案内してくれるだろう、それまで橋本くんは海洋研究開発から出る船について分かったら教えてほしい、くれぐれも、一人で船に乗って島に行こうとするなよ》


 滋岡は、早口で話し電話を切ろうとして、


 《それと》


 と、付け加えた。


 《橋本くんにかけられた呪いを解くのは、滋岡近仁の末裔である俺だけだ。竹本浩介を始め、事件が解決したら呪解しよう》







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