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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
六 サヨナラ second
129/225

愛と呪縛 17

 駐車場には、職員の自家用車が数台停まっているだけ。


「家に電話してみたらどうだ? ……って電話ないのか」


 俺がスマホを差し出すと、「スミマセン……」と山城が受け取って電話をかけていた。


「もしもし? え、そうなの? タクシー? そんなのもったいないよ。バスで帰るよ、うん、えー? はい、わかったよ。じゃあね」


 山城が仏頂面で電話を切り、「ありがとうございました」と俺に返す。


「お父さん、迎えに来れないのか」


「はい。なんか、急なお祓いのお仕事が入ったそうなんです。政治家だって」


 政治家。

 もしかして、例の竹森じゃないのか。


「どこで?」


「うちの神社だと思います。なんか忙しい音が聞こえたので」


「そうか。なら、俺も送りがてら行く。タクシー呼ぼう」


「え、でも、先輩、自転車は?」


「折り畳み式だから荷室にのせられる。それに、俺もお前んちまで自転車漕ぐの、ちょっとツラい」


 捻挫を甘くみていたせいか、なかなか痛みが引かない。


「うちにきて、どうするつもりです?」


「もし、元財務大臣の竹森隆なら息子の悪行をすべて話す。当然、知ってるかもしれないけれど、それで反応を見る。霊視もする。前から思ってたけど、彼に最強の結界を張っている陰陽師がいるはずなんだ」


 ″本物の陰陽師″。

 それが滋岡道中でないなら、そいつはどこにいるんだ?


 タクシーを呼び、後部座席に一人分空けて座る。


「あのー、質問していいですか?」


 山城がちょっと首を傾けて納得いかない顔をしている。


「なに?」


「その政治家ですけど、最強の陰陽師がついてるのに、うちみたいな神社でお祓いする必要があるんですか?」


「前も話したかもしれないけど、陰陽師と神職は、今は同じような扱いされてるが本来は役目が違う。陰陽師は悪霊や呪いを退散させたり解いたり、もしくは呪ったりするけど、本格的なお祓いは仏神に支える者の役目なんだ。竹森は、常に誰かに呪われてるのかもしれない」


「あの悪い息子のせいですか?」


「さぁ……政治家って嫌われることはあっても好かれることは少ないよな」


 神社の前に着き、タクシーを降りようとしたら、スマホに滋岡からメールが届いた。


【しばらく福井に留まるが、変わりはないか。もし、何か攻撃を受け始めたら、この貼り付けたリンク先の霊能力者に協力を頼むといい。″彼女″はとても正義感の強い女性だ】


 ″本物の陰陽師″ と知り合いだという霊能力者は、女性だった。

 意外だ。

 あとで、クリックしてみよう。


「なんか、拝殿も本殿も、前に物々しい人達が沢山いるんですけど」


 山城がびびるほど、映画でしか見たことないような黒スーツ姿にサングラスの男達が大勢入口に立っていた。


「SPって、ホントにいるんですね。アメリカみたい」




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