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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
六 サヨナラ second
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愛と呪縛 13

 

「滋岡さん、大丈夫でしょうか? 凄く具合悪そうでしたけど」


 電話を切ったあとも山城が心配する。


「呪いをかけられてるって言ってたな」


 奴なら、跳ね返す力があるだろうに。

 それができないほどの呪術師が彼を呪ってるのか。

 それとも、この前の俺のように高い電磁波で攻撃してるのか。


「な、その滋岡なんだけど、ちょっと話が矛盾してないか?」


 協力すると言った原田が、電話の内容で不可解な話があると切り出した。


「俺らが攻撃されないように霊能力者紹介するって言ってたけど、そんならまず自分を守って貰えばいいんじゃね? 」


 他二名が、「そーだ、なんか怪しいぞ」と相槌をうつ。


「同業者だからじゃないの? もしくは因縁のライバルか」


 俺は、奴にかけられた呪詛の数々を思い出した。

 陰陽師や霊能力者は、現代も競い合って呪詛合戦をする事があるという。


 負けた方は力を認めつつも、こてんぱんにやられるわけだから、懇意にはできないだろう。

 もしかしたら、滋岡はその霊能力者に負けたことがあるのかもしれない。


「やっぱり、Twitter、滋岡道中にフォローとリツイートされたせいか、スゲー伸びてる。リプもすげ」


 原田が早速、SNSにあげると、【エデンの勇者】のファンや、政治アカ、滋岡道中のフォロワーにリツイートされ、数分でアクティビティが1000を超えた。


「このまま邪魔が入らなきゃ、あっという間に5000行く」


 この前、削除されてしまった滋岡の生配信動画を、【迷うな羊】のブログで見られるというのも告知され、そちらも再生数が伸びている。


「凄いですね! 都立高校の非公認部活のオカルト部のTwitterアカなのに、ジャーナリストとか作家さんとかにもフォローされてますね、あー私の好きな漫画家さんがリツイートしてますよ! 」


 どんどん増えていくフォロワー数を見て山城が羨ましそうな声を出す。


「そ、そんなら山城さん、ぜひ、うちの部に入部してください!」


 オカルト部の誘いには、「それは無理です」と即答していた。


「あ、れ、急にアクティビティが減り始めた!」


「え?」「は?」


 原田が言っていた、″邪魔″が早速入ったようだ。


「見ろ、″このツイートを見た数″ 、 4925から4923、4896、うわ、いきなり4500まで減った!こんなこと現実に起こるわけないよな?」


「TwitterのAIが判断してんの?」


「もしくは、誰かが通報した?」


「通報とか機能あったっけ?」


「リプも、ほら、″このツイートの貼り付けたリンクに行こうとしてたら、危険の表示された″ って!」


「リツイートできなくなったって言ってるな」


 やらないからさっぱり分からないが、SNSというのは、表現の自由もないのかと驚いた。


「こうやって、SNSが操作してるなら、かなりヤバイ事てことだよな?」


 邪魔されているというのに、原田はどこか楽しそうだ。


「まさに、消したら増える法則」


「でも、なぜこれに制限かけるのか意味がわかりません、個人の名前出してるからでしょうか?」


 山城が首を傾げる。

 俺もわからない。


「陰謀論的に考えたら、世界の色んな会社がルーメン?」


 部員の疑問に、原田は首を横にふる。


「滋岡も言ってたじゃん、悪魔崇拝はフィルターにしか過ぎないって」


「どうゆうこと?」


 ここからの話は、オカルト研究部の鉄板ネタらしい。

 三人とも同じ事を言った。


「ルーメンよりも上の層の奴等が世界を牛耳ってるってこと」


「それって、誰なんですか?」


 山城の疑問に、原田がこそっと耳打ちする。下層の人間たちの会話の盗聴も、奴らはやりたい放題なのだと。



「え、う、そ、そーなんですか?!」


 山城の甲高い声が部屋に響く。


「さっきから無口な、橋本くんも知りたい?」


 原田が試すような目付きをしたけれど、俺は、軽く息をついて、「いい」と言った。


 誰が世界のトップにいようが知っ貴たことじゃない。

 たとえば、世界中の王貴族や政治家たちがグルで偽物で、おかしな組織を派生させているとしても。


『知らないほうが普通に暮らせるってこと』


 ただ、何も知らない人間をオモチャのように家畜のようになぶり殺す連中は許せない。


 Twitterの投稿に、


【その殺人施設のある無人島って、もしかしてここじゃない?】


 期待高まるリプがきたのと同時に、部室の戸が乱暴に開けられ、皆、ビクッとなった。







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