表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
六 サヨナラ second
121/225

愛と呪縛 9

 霊視って簡単に言うけど。

 どこでもできるわけじゃないんだ。

 静かな環境と集中力が要る。山城は俺の霊能を知ってるし、多分信じてくれているが、他三名は知らない。


「こえー、橋本くん、目つき鋭いって思ったら霊が視える人だったんだ!」


 こうやって不気味がられるのが嫌で、人前でこの類いの力を発揮するのを封印してきたというのに、近頃の俺ときたら……。


「橋本先輩、滋岡さん、先に始めちゃってますよ?」


 山城が画面を指さして、期待を滲ませて俺を見る。


 ――わかったよ。


 俺は、画面いっぱいにクローズアップされた違和感ありありのドアを視る。


 誰かそこにいるのか?

 そこにいる浮遊霊で、何か知ってる者はいないか?

 何でもいい、誰か、教えてくれ。

 そこは、犯罪組織のアジトに繋がる道なのか?

 誘拐された子供がいるんじゃないのか?


「”……ま、……ま”」


 ようやく子供の声が聞こえたと思った矢先、


「“ちょっと! 何の撮影ですか?”」


 滋岡は、施設の従業員に邪魔をされていた。


「“普通に風景撮影してるだけですが? 遊園地なら写真くらい撮るでしょ?”」

「“こんな所撮らないでください!”」


 数人の手が撮影中のカメラのレンズを塞ぐ。

 ワーワーと喧騒が続いたあと、この前と同じように配信がブツッと途切れた。


【え、また?!】


【これ、録画でまたアップするんですよね?】


【いったい、何がしたかったんだ?w】


【おーい!】


【ハシモトくーん、視えた?】


 コメントだけが継続される中、再び、





 ――【この動画は非公開です】――



 真っ暗なサムネだけが画面に置いていかれる。


「結局、何もわかんなかったですね」


 やや不満げにする山城を見て、「すねた顔、萌え!」と部員たちがソワソワする。

 俺も、肩すかしを食らった気分でパソコンの画面を眺めていたが、原田くんが、俺のスマホを手に取って、にぃっと笑った。


「良かったな、ちゃんと動画キャプチャ作動させてたから残ってるぞ」










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ