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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
六 サヨナラ second
119/225

愛と呪縛 7

 これだけの悪事を働いても竹森が捕まらないのは、もはや父親の影響だけではないだろう。

 やっぱり、【ルーメン】および【ゴールド・スター】が日本の警察や司法も乗っ取っているというのは事実なのか。


 日本では年間8万人、うち子供が1万5千人以上、行方不明になっている。

 1500人じゃない、一万5千人も、だ。

 到底、神隠しなんて言葉では誤魔化しきかない。


 アトリエにいた少年少女たちは恐らく拉致されて性的虐待や人身売買の被害にあって亡くなっている。

 もしかしたら、殺されたA子の子供も連中に拉致されてしまったのかもしれない。

 ――堀のように。


 それにしても。

 薬中の竹森が未だ元気なのは、なぜなんだろう?

 普通、麻薬で蝕まれた体はボロボロなんじゃないのか?

 やっぱり悪魔儀式する奴は長寿になってしまうのか。

 人魚伝説のように、人でも食ってるのか?


「……ぅ」


 また気持ち悪くなってきたところで、机のスマホが揺れながら光った。


 滋岡からメールの返信。

 俺がこんなにモヤモヤとしているのに、なんとも呑気な内容だった。


【明日の14時の生配信を楽しみに!】



 7/17(土曜日)

 この日、まだスマホを買って貰えない山城のために、オカルト研究部のパソコンで滋岡からの配信を見ることになり、その時を薄暗い部屋で待つ。

 原田以外の二名も――原田と同じようなタイプの二年男子――何故か来ていて、俺と山城をまるで神のように崇めた。


「まさか、原田くんと()()橋本千尋くんが友達だったなんて!」


「やっぱ知能が高い人は世界の闇に気が付くんだよ」


「山城さんの胴着姿の写真、今度ください」


 この部の男達は、どうやら山城のようなタイプが好みらしい。原田いわく、「自分たちにも手の届きそうな距離感」がよいのだそう。


「お、テスト配信始まったぞ」


 原田が念の為だと言って俺のスマホを操作し、動画キャプチャを機能させて自動アップデートをオフにしていた。


「急に妨害されて削除されることもあるからな」


 配信が始まると、待機していた八千人の視聴者が歓喜のコメントをしていく。


【前回、途中でへんなの入ってきたから皆気をつけてね!】【ハシモトくんに要注意!】【あ、俺そのアカウントブロックしたぞ】


「橋本くん、有名になったね。今度動画に出してもらえば?」


「そうだな、ユーチューバーになって稼ごうかな」


 くだらないことを言ってる間に、画面いっぱいに、滋岡道中の顔が映った。


「“こんにちは。本日はある芸能プロの養成所を探すべく、某県のKIDSパークというところに来てます”」








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