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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
五 サヨナラ
112/225

生と死 23

 

 ――【この動画は非公開です】――



 数分後。

 知らない電話番号からかかってきた。

 もしかして、と思ったらやっぱり滋岡だった。


 《これは“参った”の電話じゃない》


 偉そうな口調。


「そうですか……そんなことよりいいんですか? ライヴ楽しみにしてた視聴者、今頃怒ってますよ」


 台無しにした俺が言うのもなんだけど。


 《あれはスタッフの生活費稼ぎのためにやってるサービス行為だ。本業じゃない》


「でしょうけど」


 滋岡の声から怒りや憎しみみたいなものは感じない。

 俺は電波塔から離れて、ゆっくりと歩き出す。外は真っ暗になって獣の霊の気配が強くなったきた。


 《俺を呪い殺そうとする現代の陰陽師は世の中に多くはないけどいる》


「え、そうなんですか?」


 滋岡が言うには、民間の自称陰陽師の中には、表立って活動する自分に仕事を奪うなと恐喝まがいの呪いをかけてくるそうだ。

 俺が真夜中に夢でうなされたあんな感じの。

 本人ではなく、家族や大事にしてる者を殺す幻想を見せれば、恐怖心が増し、呪いは成功しやすいのだと。


 《だが、そんなもの俺は、はね飛ばしてしまう。相手に見えなくなる結界を張れば、呪詛は相手に帰っていく。だから橋本くんが初めてなんだよ、俺の動きを封じ込めたのは》


「そうですか」


 なら、協力して堀の救出のために居場所を捜索するというのは……。


 《それで早速、例の君の友達の捜索だけど急いで取り掛かるつもりだ、今から迎えにいく。どこかで会えないか》


 俺の言わんとしたことがわかったかのように、滋岡が動いてくれる。


「ありがとうございます。どこに行けば?」


 《時間が惜しい、今君がいる場所へ行こう》


 言葉の通り、滋岡の声に焦りを感じた。


「俺の友達、やばいんですか?」


 滋岡なら、何か視えたのかもしれない。


 《そうじゃない、そうでなくて》


 彼の唾を飲み込む音が伝わってきた。


「橋本くん、死相が出てたからね」




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