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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
五 サヨナラ
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生と死 18

 ――またか。


 低級の霊を使った呪い。

 滋岡の仕業だ。

 でないと、この低い波動の霊を跳ねのけもせず、俺の持つ護符が発動しないなんてあり得ない。金縛りにこそなってないが、まさか学校にいる時もかけられるとは思ってもなかった。

 真っ黒い顔をした霊は男か女かもわからないが、俺の足元から上を見上げ、何か呻いている。


「ここは、あんたの来る場所じゃない。去れ」


 心の中で話しかける。

 しかし、陰陽師に飼われた霊は、言葉も理解できないようで、俺の足やスマホを触る手に這い上がってきた。

 ヌルッと冷たい感触。

 呪文を唱えようとしたその時、濡れた手が俺のスマホを握ろうとした。


「やめろ」


 思わす声を出したら、ミシッとスマホ画面にヒビが入り始め、パリン! と大きな音を立てて、破裂して割れた。


「どうした?!」


 担任とクラスメート達が一斉にこっちを見た。

 割れたガラスの破片が頬に当たったのか、チリっとした痛みが走る。


「熱もって割れました……」


 答えながら、散らばった破片を集める時にはもう霊はいなかった。


「そら不良品だろうな。電話会社に交換してもらわないとだな、あー素手でやるな!」


 担任が道具入れからホウキと塵取りを持ってきてくれた。

 雑然とする教室。

 こんなことで人の注目を浴びた事なんて一度もない。

 これでネットを使った捜索もできなくなった。

 滋岡に腹が立ち、このまま、いたずらに翻弄され続けることに抗いたい気持ちが芽生えた。

 あいつに、どう呪詛をかければ勝てるんだ――








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