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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
五 サヨナラ
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生と死 17



 昨日の連中が何目的で山城や俺を拉致しようとしたのか、憶測ではあるが何となく分かった。

 昨夜も寝るのが嫌で、【ゴールド・スター】と【ルーメン】を調べてみたのだが、彼らの悪魔崇拝儀式には多くの子供や少年少女が犠牲になっているというものだった。

 もちろん、何も証拠がなく、ネットでは陰謀論扱いで、これを口にしたジャーナリストや著名人は頭がおかしいとされてしまう。

 でも、だ。

 火のない所に煙は、だろう。

 HRの間、俺は、【シュピルマン・エンターテイメント】の養成所をスマホで検索してみた。

 予測通り浅いところでは出ない。

 何度もページを遡っていくと、その場所がマップ上に現れた。

 そこは、福井県の人魚伝説ゆかりの市からそう遠くない所にあった。


 今日のHRはやたら長かった。

 一時限目の授業までの休み時間もなくなるほど。


「昨夜もうちの女生徒相手に“声かけ事案”が発生してるので、部活等で遅くなる場合はなるべく保護者の方に迎えに来て貰うなどしてください。それと、安易に付いて行ったり車に乗ったりしないこと!」


 山城リリの話だ。

 声かけ事案ってマイルドな表現に置き換えられてる。

 堀の件があるから、なるべく事件性を匂わせたくないんだろう。

 この学校は誰のための学校なんだ?

 堀の消息がわからなくなって数日。

 彼の“生”を感じる波動がほぼ消えて焦っていたのかもしれない。

 心の中で反吐を吐きながら、スマホでの検索も続けていた。


【シュピルマン・エンターテイメント】の養成所は、福井県小浜市から少し離れた敦賀市にあるようだった。

 ピン止めされたところをスワイプで確認してみると、そこはKIDSパークと呼ばれる遊園地があるのみで、養成所の表示はない。


 ――どういうことなんだ?


 芸能関係だから、特定されないように地図上には名前を伏せて記載されてるのだろうか?

 しかし遊園地のどこにそんな施設が建てられるというのか?

 画面を見ながら考えていると、刺すような鋭い視線を感じた。

 スマホいじりを見つけた教壇の担任から発せられたものではない。

 かといって俺の隣の席の奴や、後ろの席の女子からでもない。


 俺の真下から睨んでいる奴がいた。




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