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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
五 サヨナラ
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生と死 16

 翌日。

 学校に行くと、下駄箱の所で山城リリが俺を待っていた。


「昨日はありがとうございました」


 心配していたより元気で、笑顔も見せる。


「うん、むち打ちは?」


 あんな風に必死に追いかけたくせに、それが今は恥ずかしくて素っ気なく返事をした。


「今のところ、痛みもなくて平気です」


「……そっか。あ、電話は?」


「じつは」


 やはり、昨日拉致された時にスマホを男たちに奪われたと、ショックな声を出していた。


「堀先輩、大丈夫でしょうか?」


「……わからない」


 かぶりを振った俺の横で、山城が泣きそうな目をした。


 時間が経ちすぎてる。足取りの消えた堀の守護霊を呼び出しても、もう答えてくれない。


「山城、昨日の犯人の顔、覚えてる? 」


 山城は頷いて、「はい。なので昨夜描きました。警察署でも刑事さんが特徴を訊いて犯人似顔絵を作成してました」

 と、ポケットから折り畳んだ紙を広げて見せてくれた。

 凄いな。


「ほんと、絵、上手いな。俺の記憶のまんまの男たちだ」


 山城の描いた似顔絵を見て、息を漏らした。


「これで、堀先輩の居場所わかりますかね?」


 俺の霊視を信じてくれている彼女が、これを俺にくれるという。


「夏休みが始まる前に、堀先輩が救出されたらいいんですけど」


「……そうだな。試合に向けてまた合宿もあるしな」


 堀や俺にとっては最後になる部の合宿。

 試合に出る云々以前に、高校の良い思い出になるはずだ。


 ……思い出?


 思い出を作りたいのか。

 自身の気持ちの変化に戸惑う俺へ、


「警察に誰にも話すなと言われたんですけど」


 山城は他の情報もくれた。


「【シュピルマン・エンターテイメント】の養成所に私を連れていくって犯人達が話してたんです」


 それは、【エデンの勇者】の芸能事務所の名前だった。


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