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転生陰陽師は呪詛をしたくない【仮】  作者: こうつきみあ(光月 海愛)
五 サヨナラ
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生と死 13

 病院からの帰り、車の中で母さんに問い詰められる。


「担任の先生から、昼頃電話あったわよ。″学校休んでますが、風邪ですか?″ って。何してたの?」


「……図書館に行ってた」


 これは嘘じゃない。


「学校にだって図書室くらいあるでしょ?!なんなら土日に行けばいいし、学校サボるとか今までそんな問題行動起こしたことないのに、 夕方の事故も弓道部の後輩が絡んでるって警察が言ってたわよ! 一体どんなトラブルに巻き込まれてるの?」


 一気に捲し立てた母さんを父さんが運転席から窘める。


「俺らの時代も学校サボるくらい良くやってたじゃないか。後輩が被害者になるところを千尋が助けたっていうのも叱ることじゃないだろ?」


「私は、この子の身体を心配してるんです! いくらあなたが冷静沈着で賢いからって悪い人たちには力じゃ敵わないの! そういう時は警察に通報! わかった?」


 その警察が当てにならないから動いたっていうのに。

 結局、誰も堀の捜索を真剣にはしない。

 頼ろうとした陰陽師からも逆に呪いをかけられる始末。


 ――滋岡。


 奴の勝ち誇ったような顔を思い出せば腹が立ってくる。

 次にどんな呪詛をしかけてくるか、考えたらゾクっとした。

 本当に俺が参ったというまで続けるつもりなのか?


 自宅に戻った俺は、真っ先に焼き塩による呪いの跳ね返しを試みた。


「ちょっと、帰ってくるなりコンロで何してるの?」


 イライラする母さんをシカトし、コンロにかけたフライパンで一掴みの粗塩をから煎りする。

 淡い茶色になったら火を止めて盛り塩なり持ち歩くなりするのだが、


「ほら、焦げてるわよ!」


 真っ黒になってしまい、母さんが顔を思い切り歪めた。


「……ヤバイな」


 塩がこのように真っ黒になる場合は強い呪詛をかけられている可能性がある。

 俺は、焦げたものを捨ててもう一度作り直した。


 その夜。

 俺は、山城にメッセージを送ってみることに。

 しかし、アプリを開いてみると、彼女のアカウントは削除されているのか、


【トークメンバーがいません】


 と表示されていた。









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