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登校二日目の朝ですわ!

ペネロペちゃん魔術を使うよ!の巻

魔法→魔術に変更致しました。

 

 朝からしっかり美ルーティーンをこなして、パリッとアイロン掛けされた制服で登校です。


 今日も馭者の爺やに馬車で送ってもらいます。私淑女ですので、馬車のカーテンは勿論しっかり閉められているわけですけれど、そのカーテンの内側では結構あられもない格好をしておりますの。


 腕を広げて壁際にピタッと身体を沿わせて……まるで張り込みをする刑事さんのように。


 そう、実は私、馬車内部の前面側面あちこちに作られた覗き穴から周りを観察致しておりますの!



 淑女が何をしているのかってお声が聞こえて参りそうですわね。ふふふ、中で何をしてようがバレなきゃ屁でもねぇのですわ!

 暇な登下校の時間は街の様子だったり行き交う馬車や人々のチェックが欠かせませんの。情報は何にも勝るんですのよ?


 まだ朝早いってこともあって、貴族を見かけることはありませんが、働く方々は朝から元気でいらっしゃいますわ。

 朝市では生成色のチュニックを腰紐で縛っている方が多くて、草色のお召し物も見かけますね。力仕事をなさっている方は生成りのシャツの上に厚手のオーバーオールを纏っていますのね。色は汚れが目立ちにくい灰色や炭色や錆色などの濃い物ですわね。

 でも街中全てが落ち着いた色味ってわけでもなさそうで、露天の雨除けや店の看板となる所には色鮮やかな布が使われていますわ。そういう色味もあるにはありますのねぇ。


 そんな観察をしていると、段々街並みが整然としていき、瀟洒な建物が増えて参りました。上流階級向けの店通りを抜けるとそこは貴族街です。こちらはまだほとんど人通りがありませんわね。

 貴族街の中を通り過ぎて広い敷地を持つユメルティア学園へと馬車は進みます。王都の中心部で王宮へも馬車で十分程の距離だというのに、まるで森の中かと思うような豊かな自然。その森の中を優雅に走る石畳。金掛かってますわよね〜。


 まぁ、お洒落な建造物も適度に手の入れられた美しい森も嫌いではありませんから、悪くない気分ですわ。



 さてさて、下級貴族の馬車留めで爺やに下ろしてもらって、静かな校舎の中クラスへ向かいますわ。

 少し校舎の探検と称した寄り道をしながらクラスへ向かうと、既に登校していらっしゃる方がおられるご様子。こんな早い時間に来られるなんて珍しいですわね。


 クラスの扉を開けると、輝く銀髪が目に飛び込む。最後列の窓側、私の隣の席に座るその人は公爵令嬢ルナマリア・フォン・グランベルク様。あの第二王子の婚約者であらせられるお方ですわ。



 ……ちょっと信じられなかったんだけど。え、早くない??


 一瞬フリーズしてしまいましたが、グランベルク様は読書をなさっていてこちらを気にしている様子はありません。っよし、行くわよ!


「お隣、失礼致しますわ」

「えぇ、どうぞ」


 昨日と変わらない入りだけど、本から顔を上げてこちらを向いてくださいましたわ。次行きますわよ!


「おはようございますグランベルク様、気持ちの良い朝ですね」

「おはようございますアルティザン様。そうですね、とても心地良いので少し窓を開けておりました。今閉めますわ」

「よろしければ私も心地よい風を感じていたいと思いますわ」


 グランベルク様は気を遣って窓を閉めようとして下さったけど、折角ですからもう少し。でも窓際だから紫外線が気になりますわね。少し失礼致しますねと声を掛けてから、小さく詠唱を始める。


 ──光る水鱗集いて散らせ──アクアスケイル──


 窓の外に水滴が集まり薄い六角形の水鱗が無数に形作られていく。それがドーム状に覆っていくと採光性能は落とさずに紫外線をカットできる優秀なUVバリアの完成!


「お美しいグランベルク様を強い光に晒す訳には参りませんわ」

「まぁ、ありがとう存じます……アルティザン様は魔術が得意ですのね」

「生活に根ざした魔術を少しばかり」

「よろしければお話聞かせて頂けますか?」


 グランベルク様はとっても好奇心の旺盛な方で、私が水魔術を生活の様々なことに活用していることをお話しすると、凛とした表情は変わらず瞳にワクワクした光を灯して聞いてくださいましたわ。

 あっという間に時間が経って、平民や爵位の低い貴族の方がチラホラとみえ始めたので、窓を閉めて魔術を解くことに。


「アルティザン様、またお話聞かせて頂けますか?」

「はい、もちろんですわ。今度はグランベルク様のお話も伺いたいですわ」


 グランベルク様は少し困った顔をして、あまり面白い話はないかもしれませんけれど……と言いながらはにかんでいらっしゃるわ。かわゆ。


「アルティザン様、よろしければ私のことをルナマリアとお呼び頂けますか?」

「まぁ、よろしいのですか?でしたら私のこともペネロニースとお呼びください」


 お互いに顔を見合わせてふふふと微笑み合う。

 いやぁ、ルナマリア様と仲良くなれそうでよかったわ〜。高慢ちきだったらどうしましょうって実は構えていましたの。


 クラスに人も増えてきて、ルナマリア様は読書に戻られた。

 私はクラスの様子を眺めていると、クラスの出入り口の辺りが騒がしくなっていることに気付いた。何やらピンクの頭と金色の頭が見えますけれど、何があったんでしょう?




 *****




 遡ること数分前。

 遅刻ギリギリで廊下を小走りしているピンク頭ことフローラ・ディ・ビスキュール男爵令嬢。クラスの入り口近くに憧れの第二王子を発見した。

 更に走る勢いを上げて王子様にご挨拶しようとしたところ、護衛の黒髪侍従くんに遮られる。


「アーッ!あぶないあぶない、止まれないぃぃぃ!!」

「んなっ!おい、なんとかしろジャン!!」

「申し訳ありません殿下ッ……!」


 ドンガラガッシャーン。


 黒髪侍従にぶつかるのを避けようとフローラ嬢が方向転換したのが災いして、足を引っ掛けて倒れこむ。倒れた先にはアルフレッド第二王子。

 転びそうになるフローラ嬢はしっかりとアルフレッド王子の服を掴むが、侍従とぶつかった勢いで回転がかかって二人まとめて落ちる。

 そこでアルフレッド王子の王子力発動ッ!!背中から落ちそうになるフローラ嬢を支えようとする!


 フローラ嬢の首から背中を片手で抱き支えるアルフレッド王子!王子の脚はフローラ嬢の脚の間に!そしてもう片方の手はフローラ嬢の大きな双丘に!衝撃から目を開いて視線がぶつかり合うその距離、なんと10㎝!


 物音に驚く女子生徒!不敬な出来事に息を飲む男子生徒!!ラッキースケベに鼻の下を伸ばす第二王子!!!どうなるフローラ!!!!


次回に続く!


公爵令嬢のお名前は、ルナマリア・フォン・グランベルク。

男爵令嬢のお名前は、フローラ・ディ・ビスキュールです。


名前の間に挟まってるのは爵位を表すものだと思ってもらえたら。当主や夫人には更に追加で何か付くことでしょう。まだ考えてないけど。

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