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精霊祭にて

「え?じゃあ結局大魔法使い様と結婚することになったんだ。あんなに再婚を勧めていたのに?」


今日は精霊祭の最終日、魔法省が取り仕切る夜の式典はまだなので神殿の近くの出店の軒先でリカルドとお茶をしている。


周りも色とりどりの花が飾られて普段の数倍の人出だ。


「ええ、まあそう言うことに…」


正確にはとりあえず婚約で、私が18歳になる二年後に結婚する予定だけど。


気まずくて言葉を濁す。

っていうか、リカルドあまり驚いていない?


「もしかして、リカルドは全て知っていたの?」


私がシエルの妻の生まれ変わりだとか…。


「う~ん、全部っていう訳じゃないけど、ほら僕は精霊達と話せるから。まあ、精霊達が教えてくれる範囲では。」


精霊達が教えてくれる範囲では?それってどこまで?

ちょっと怖くて聞けない。


「え?じゃあ魔法省のお爺様方も?」


まさか、魔法使いたち皆に知られていた?


「いやいや、それはないよ。精霊達を見れても込み入った話まで出来るのは僕と大魔法使い様くらいだし。」


そうなのね。一番弟子だとは知っていたけど、リカルドって何気に凄いのね。


「で、あんなに大魔法使い様の娘でいる事にこだわっていたように見えたけど?どういう心境の変化?」


ギクッ、それは流せたと思っていたのに。こんなところで、優秀さを発揮しなくても良いのに。


「まあ、何か今まで言いたかったことを吐き出したらちょっとスッキリしたというか。もう今さら仕方ないというか。」


自分でも言い訳じみていると思うけど、本当に何かスッキリしたのだ。自分の本当の気持ちが分かって。


「ふ~ん。絶対僕の方が若くて一緒にいても楽しくてお勧めだと思うけど。」

「それはもちろんそうだと思うわ...。」


確かにそうなんだけど。つまり私は今回のことでシエルが好きだと再確認したわけだけど、それってつまり、何ていうのかしら。私が居ないとダメな人が良いと言うか、はっきり言ってヘタレなシエルにキュンとしてしまったというか。そんなこと誰にも言えない...。


「まあ、大魔法使い様が幸せになれるなら仕方ないかぁ。」

「あら、そんなにお父様、じゃなくてシエルのことを気に掛けてくれていたの?」

「だって、大魔法使い様ってなんていうかこう不幸な感じが滲み出てない?」


え!そんなに?


「なんか、同情を誘うって言うか、幸せになって欲しいなあって思っちゃうんだよねぇ。まあ本人には絶対言えないけどね。怖すぎて。」


なるほど。リカルドってば良く分かっているわ。

そうか、きっとシエルのそういうところに私は弱いのね。


「そういえば、アデリーナ嬢も婚約したんだって?」


「そうなの。あの後ドルトン侯爵がお礼にいらっしゃって...。」


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