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窓から顔を出すと、昨日と同じく道の奥から聞こえてくるので、やはり何も見えません。
そのうちに聞こえなくなりました。
奥のほうは街灯がないので真っ暗ですが、道の入口の近くには街灯があり、誰かが出てきたらはっきりわかります。
しかし声が聞こえなくなってしばらく待ってみても、誰も姿を現しませんでした。
――まあ、いいか。
私は観察するのをやめて、そのまま眠りにつくことにしました。
その次の日の夜、寝室に入ろうとして少し考えました。
またあの声がするのではないかと。
そして寝室に入ると、やはりあの声が聞こえて来ました。
――なんなの、いったい?
毎晩こんな遅い時間に、人家のすぐそばの外で話しをするなんて。
非常識にも程があると思いました。
文句を言ってやろうかどうしようかと迷っていると、突然女の短い悲鳴が聞こえました。
――!
私はパジャマ姿のまま飛び出し、路地へ向かいました。
すると道の奥に、男と女の姿が見えました。
街灯がなく真っ暗なはずなのに、何故かその姿がやけにはっきりと見えたのです。
男は私に背を向け、女は男を見ていました。
そして男はあろうことか、金属バットで女を殴っていたのです。
――えええっ!




