戻れない愛
カクヨムさんにも投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883863134
授業が終わった校内は、とても静かなものだった。
外では運動部が活気ある声を出していた。
静かな校内の遠くから、吹奏楽部の演奏が聞こえてくる。あまり上手とはいえないが、音は揃っている。
そんな音を聞きながら、教室に忘れ物を取りに行く基之。
「はぁ……」
一つため息を吐きながら、教室へ向かっていると、同じクラスの委員長、比奈が歩いてきた。
一度、足を止める基之だが、比奈は歩き続け彼の横を通り過ぎる。
その時、比奈がペンを落としてしまった。
「ひ……、委員長。ペン、落としたよ」
「え、あぁ。ありがとう、”西条くん”」
「……うん」
目も合わさず、比奈は基之からペンを受け取ると、さっさと歩いて去っていった。
基之はその場に残り、彼女の後ろ姿を見つめていた。
「……もう、戻れないんだな」
二人は別々の道を歩いていく。
このままで読んでくださり、ありがとうございます。
大学時代のサークルが映像系で、脚本を書いておりました。
その時に脚本で書いた作品を、思い出しながら書きました。
映像にすることは出来ませんでしたが、埋もれたままにしても、作品が可哀想かな? と思ったので、投稿しました。
他の作品もよろしくお願いします。