表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

B・探偵ごっこ。①彼女はミステリードラマのマニア

私は某ミステリードラマの影響で事件に首を突っ込んで解決するという事を日夜夢に見てきた。


実行するには私は主人公らしさが足りないしただの学生で、家も平凡で困った時に翳す権力もない。

でも人一倍変わり者だと言われてきた私はきっと探偵が向いているんじゃないだろうか、きっと現実世界でフィクションを実行する奴は私の他にいない筈だ。


「おまえ探偵になりたいんだって?」

「なっどこでそれを!?」

「試しに先生のカミさんが口聞いてくれない理由を推理してくれ」

「密室殺人とか探偵っぽくない案件は専門外でーす」

「そこをなんとか」

「どうせ、先生が奥さんの前で飯の味付けが気に入らないと言ったか、家事を手伝わないとか足がクサイとか」

「すごいじゃないか全部当たってるぞ」

「先生はモブなんですからこれ以上出ないでくださいよ、やたら出番があるとメインキャラだと思われちゃう」

「つめてえな…」

「相手役は二歳年下のイケメンがいいなあ…」

「おれはカミさんいるからなあ悪いな」

「それ以前に先生はイケメンでもハンサムでもないし小太り中年ですから」

あと、出番が増えると先生の奥さんが被害者か容疑者になってしまいますよ」

「じゃあ毎回出番がある(事件で犯人候補免除)三枚目でもいいから」

「はあ…」


「夏割さーん」

「あっあれは!!ナンバーワンではないけれど学園でも結構人気のあるイケメン1年!(名前しらない)そんな彼が私に手をふっている?」

というかなぜ私の名前を?


「おーいここ学園じゃねえぞー」

先生のツッコミは聞こえているがスルーして、後輩くんの話を聞くことにした。


「昨日うちの家宝のホルマリンケースがなくなったんだよ」

「事件ですかな!?」

待ってまし…ホルマリンケースってなんだろう?


「それがね、どういうわくか天井で見つかったんだ」

「見つかったんだ…」

残念だなあ。

「ちなみにホルマリンケースっていうのは化学で使う生物を腐らせない液体を入れておくガラス瓶の呼称で、そう呼んでるのは家の一家だけなんだ」

こっそり携帯で調べたが、なんとなく答が違う理由がわかった。


「もしかして貴方の家はお医者さん?」

「うん、千影院総合病院って知ってる?」

「あの有名な病院!?もちろん知ってるよ」

彼とは初対面だし、名前もうろ覚えだったから気がつかなかった。

興味がなかったからとは言えないよなあ…

私はミステリーやサスペンスドラマの展開を日常的に求めている。

だからそういう場面に期待できない周囲とは広く浅くの付き合いでいいのだ。


「これ皆には隠してるから僕と二人だけの秘密だよ?」

なぜか大病院の御曹司に好かれているようだ。

「あのー応先生も知ってるんだがなあ」


「もしかして僕の名前知らなかった?」

「えっ!!?」

なんて鋭い洞察力なの…私より探偵に向いている。


「いつも名前を教えると皆にあの大病院の!?って聞かれるから違うことにしてるからさ…」


「それと気づいていないかもしれないけど夏割さんすごく有名人だよ」

「え!?そうなんだ」

もしや、夢に一歩近づいた――――?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ