俺の信じられない現実
初投稿です。
初心者で中学生なので分からないことも多く、また本人しか分からないような部分もあるかもしれませんが、どうか温かい目で見てやってください。
お願いします。
俺は若干普通の高校生、永橋祐樹だ。
俺は、ついさっき自分の驚くべき変化を確認した。
今まで普通の高校生だったのに、普通の人間だったのに、驚くような非現実が自分自身に降りかかってきたのだ。
「はーっ、どういうことだよ?」
俺は学校からの帰り道、ため息をついていた。
ため息の理由とはもちろんさっきのことである。
俺は自分のことを多少は運動神経がいいとは思っていたがまさかあんなにいいとは思わなかった。
いや、あれはおそらく人間の力じゃ出せない。
出せるかもしれないが、僕には到底無理な高さだった。
ところでジャンプの世界記録とはどれほどのものなのだろうか。
そんなことは分からないけれど、僕の常識から考えれば非常識だった。
あんなに高い距離まで飛ぶなんて……。
ことの発端は高校からの帰り道でのことだった。
僕は何気なく歩いていたのだが目の端に止まるものがあった。
一人の女の子が悲しそうに泣いている。
なにかあったのだろうかと思ったが、めんどくさそうだったので無視して、そのまま行こうと思ったのだが喋りかけられてしまった。
「あの、すいません。あの風船を取ってもらえませんか」
見ると木の枝に風船がかかっていた。
その時にも逃げることができただろう。
だが、喋りかけてきたのに逃げるというのはかわいそうだったので
「ああ、あの風船だね。お兄ちゃんに取れるかどうかわからないけど頑張ってみるよ」
言った通り風船がかかっている場所は僕のジャンプでは取れるかどうか分からなかった。だけど一応飛べば諦めてくれるだろうと思い、飛んだのが間違えだった。
自分の意味が分からない能力に直面するのに。
だがもう遅い。
軽く飛んだつもりだったのだが隣の家を見ると軽く3階を超えていた。
「うわっとっとっとおおおおおおおお」
バランスを崩さないように体制を整えようとするが中々できない。
ちょうどつかんだ先には風船があったので取って、地面に着地したと同時に女の子に風船を渡したかと思うと一目散に逃げ出した。
この場合は一心不乱にというべきだろうか。
自分のしたことを信じたくなくて、信じようともしないで走った。
しかも走るスピードが尋常じゃなかった。
隣にジェット機があっても勝てたと思う。
なので、歩くことにした。
現実を見たくないがためである。
そして現在にいたるというわけなのだ。
ちなみにここから家はまだかなりあるのだが、あんまり人に見られたくなかったので遠回りした。
路地裏に入った途端、目の前にさっきの少女がいた。
お礼に言いに来たのだろうと思い、お礼を待っていたのだが彼女に起こった? 彼女が望んだ? 現象は意味が分からないものだった。
いきなり僕と同じくらいの体つきになったのだ。
服もそれに合わせて大きくなっている。
いや、ちょっと雰囲気が大人っぽくなっていた。
その現象に驚きを隠しきれずに口を開けたままぽかんとしている僕に彼女は話しかけてきた。
「驚いた? あなたたちには信じられないでしょうね。いや、私も信じられなかったんだけどね」
なんて言いながら笑っている。
今の現象はなんなのだろうか。
さっきのちょっと飛んだだけなのがあんなに高い位置まで飛んでいたことと言いありえないことが多すぎる。
信じられなかったから彼女に聞くことにした。
「なあ、なんなんだよ。今のもさっきの俺の現象も?」
聞いたのだが
「あなたには世界を救ってもらいます」
と言ってきたのだ。
まるで話のつながりがないので
「なんだよ。答えになってないじゃんか。それに世界を救うってどういうことだよ?」と言ったのだが
「いいから、黙って私の言うことを聞いて」
と言ってきたので
「分かったよ」
俺はそう言って黙って聞くことしかできなかった。
「まず、あなたと私の現象の説明をする前にこの能力の存在する意味から話さないと。あなたは悪魔がいるのを信じる?」
そう問われたので
「そんなのは空想の生き物だからいないんじゃないのか」
と返すと
「そうね、やっぱりそう思うわよね」
と呟く。
「それで悪魔とこの現象に何が関係あるんだよ?」
そう聞くと
「悪魔を倒すためにこんな能力があるのよ。私は同じ能力を持っている人を探してきた。そしてあなたに出合ったというわけよ」
なんて意味の分からないことを言う彼女。
「そう言ったってお前にそれを教えた人はどうしたんだよ?」
聞くと
「死んだわ。あの人は」
そう言って下を見る。
何か嫌なことを聞いたんだろうかと思ったので違う話を振った。
「どうやって悪魔と戦うんだよ」
返ってきた言葉は
「それは、ある次元転送装置を使うしかないわ」
だった。
「それはどこにあるんだ?」
聞くと
「その場所は分からない」
と返ってきて
「なんでだよ?」
聞き返すと
「その装置は私にこの状況を教えてくれた人の研究室にあるの。
でもそこがどこか分からない。あの人は勝手に1人で悪魔のところに行って勝手に死んだわ」
と言ってきたので
「どこにいるかわからないのになんで死んだかどうか分かるんだ?」
と聞くと
「私の能力には人の生死を感じる力もあるのよ」
と言ってきた。
「それで、他にその人から聞いたことはないのか。その人悪魔に詳しかったんだろ?」そう聞くと
「そうね。そういえば言ってたわ、悪魔はもうすぐ地球に出てくるかもしれない。とね」
答えてきたので
「だったら自分から行かなくてもいいんじゃないのか?」
そう聞いたら
「だけどね、それは悪魔のもうすぐなの。何十年先か何百年先か分からないのよ。しかも悪魔が来るのを待っていたら地球が滅びるわ」
そう言った。
それはそうだ。悪魔の時間の感じ方なんてどれ程のものか分からないのだから。
「じゃあ転送装置がどこにあるかも聞いてないのか」
そう聞くと、少し考えたようだったが急に
「あっ、確か霊的なエネルギーが集まっているところだって」
と言ってきた。
「じゃあ恐山じゃないのか。日本じゃそこぐらいしか思いつかないし」
当てずっぽうで言ったら
「でもその人日本人じゃなかったの」
と言ってきた。
「まあとりあえず恐山に行こうぜ。何時間かかるか分からないけどよ」
言うと、
「すぐ行けるじゃない。あなたの足があるんだから」
と言われた。
あっ、そうだった。忘れていた。自分の実力を、自分の現実を。
そう思うと同時に
「じゃあ行こうか」
そう言ったら
「そうね、じゃあ私を背負って行ってくれる?」
と聞かれたので、まあ、しょうがないか。という思いをもとに
「いいよ」
そう言って彼女を背負った。
そして恐山まで向かった。
恐山ふもとまで一分、研究室発見まで七秒。やはりジェット機には負けていたか……。ジェット機ならここまでわずか数十秒で来れるだろう。
さすがにジェット機ほどのスピードを出したら人間の体が持たないだろうけど。
なんてくだらないことを考えながら研究室に入るとそこはほこりまみれだった。
まるで何年も使ってないみたいに。
まあ、その博士? がいなくなってからどれくらい経ったのかは分からないが相当経っているだろう。単に掃除をしなかっただけかもしれないが。
そんな博士? にめぐる考えは置いといて。
転送装置はすぐに分かった。
なにせ『次元転送装置』とでかでかと看板が貼ってあったのだから。
他の機械はなんに使うかわからないものだけど確かにこれは探していたそれだと気づくことができた。
そして転送装置を起動させる。
案外使い方は簡単だった。起動ボタンを押し、行きたいところを選択して乗り込む。
だが、乗り込む場所は一人用しかなく、これを逃したら次行ける分のエネルギーを貯めないといけないのだ。
「どうする?」
俺は彼女に聞いた。
すると
「二人で乗るしかないんじゃない?」
と返ってきた。
一人でさえ、せま苦しそうな場所に二人で乗るだって?
無理にもほどがあるだろうと思ったがしょうがない。
二人で乗り込んでしばらく待つと場所が変わっていた。
「こんなすぐ来れたんだ」
なんて驚いていると
「そうみたいね」
彼女は冷たくそう言ってしばらく歩いていた。
ちなみに今は幼児の姿である。
「なあ、何で今幼児姿なんだ?」
バカのトーンのように聞くと
「幼児姿のほうが力を強く発揮できるのよ。どうやら、他のことに力を費やしたら大事な力が抑えられるらしいの」
そう言って今は服装も半袖にミニスカート。服装も手を抜いたほうがいいのだろうか?確かに、今は夏なので全く問題はないのだが、僕が変態に思われちゃうじゃないか。
っていうか周りは火で囲まれているのに僕は全然熱くない。
服も僕の力が通っているみたいに全然燃えるどころか焦げさえついてない。
そしてしばらく歩くと彼女が語りだした。
「その昔、地球の大陸には悪魔が住んでいたという。
そして、後から来た人間との戦争になったという。
結果的には人間が勝ったのだが逃げ残った悪魔がたくさんいて、その後に人間に嫌がらせをしたそうだ。
かなりひどい事件が起こったそうなのだが。
人間が勝ったと言ったが悪魔が弱かったわけではない。もちろん人間が強すぎたわけでもない。単純な力関係だったら余裕で悪魔のほうが強かったらしい。
だが人間は呪術に長けていて悪魔の力を抑えていたそうだ。
なので勝てたらしい。悪魔のいやがらせの話もしとこうか。
悪魔がした嫌がらせとはタイタニック号の沈没と、俗にいう神隠しとかもほとんど悪魔のせいだ」
と反応を待つようにそこで話を止める。
「えっ、神隠しっていうのにか。しかもタイタニックは作り話だろ」
言うと
「何言ってるんだよ。タイタニックは実話をもとにした作品じゃないか。
ついでに言えばタイタニックには姉妹船のオリンピック号というのもあったそうだぞ。しかも当初の設計上、不沈船とも言われたそうだ。もちろん絶対に沈まないというわけではなくある程度の想定までは大丈夫という意味なのだがな。知らなかったのか?」
と、バカにするように聞かれたので
「も、もちろんウソに決まってるよ。そんな有名な話知ってないわけないだろ」
精々強気で言うことしかできなかったが
「ほんとか?」
ほとんど尋問みたいに聞いてくるがかろうじて
「ああ」
と答えてやった。
彼女はまだ不審に思っているらしかったがそれでも納得したようで
「じゃあいい」
と言った。
表情は彼女の年より少々幼かった。というか今は幼女の姿なのだけれど、それでも幼く見えた。
もう結構歩いたので後どれくらいか聞いたら
「あっごめん。話に夢中でもう過ぎてた」
そう言って引き返し始めた。僕もそれに倣う。そしてしばらく無言で歩く。
やっと彼女は止まった。周りを見てみるが何もない。
ほんとにこんなところにあるのかなんて思いながら下を見ると見ていたところに洞窟?というよりは洞穴と言ったほうが似合いそうな穴があった。
別に見落としていたわけではない。
あまりに斜面が急すぎるため分からなかったのだ。
目測で、と言うか見ただけでわかる。ほとんど垂直なのだ。
しかも底が見えない。
もし落ちたらと思うとぞっとする。
それでも
「まさか、ここから下りるなんて言わないよな」
と聞くと
「そのまさかだ」と帰ってきた。
おいおい、そりゃないじゃんかよ。どうしろって言うんだよ?
なんて考えていたが
「さあ早く行くぞ」
と言ってきたので行かざるを得なかった。
そうして彼女は穴に入る。続けて俺も入った。
思ったより深くなく案外すぐ下まで着いた。
少し暗かったが周りはきちんと見えた。いや暗いというのが分かった上でよく見えた。なんでだろう? これも能力なのだろうか。
そう思って周りを見てみるとすぐ近くに幼女がいた。
まだ名前も聞いてない。だが聞くことでもないのだろうと思う。
そして地下をしばらく歩くと大きな部屋が見えた。
その場所に何がいるのかは直感で分かった。
「どうする、これ以上進むか?」
わざわざ聞くことではなかったが聞いてみた。
「もちろん」
その言葉はひどく残忍な言葉に思えた。
そりゃ彼女にしてみたらもちろんなのだろう。世界を救うという目標があるのだから。
僕のほうは冷や汗をかいているというのに。
悪魔がいるところに入ると急に明るくなった。
悪魔の形はまあ僕らが想像しているものと変わらないだろう。
顔はヤギの形で体は人型のオーソドックスな悪魔なのだが存在感が尋常じゃなかった。凄くいかつかった。
だがしょうがない。
僕たちは戦わなければならないんだから。あの悪魔と。
「よし行こうか。あいつを倒しに」
そう言って一歩踏み出した瞬間、
「がたん」という音が聞こえ、後ろにはドアなんて無いのに何かにさえぎられるように後ろが閉じた。
「なるほどな。倒すまで出れないってわけか。いいじゃねえかそういうの」
少し笑ってしまったが、急に悪魔が喋りだした。
「汝ら某を倒そうとしておるのか。はっ、笑止な。貴公らに倒せると思っておるのか。この儂を」
人の言い方がころころ変わる悪魔だな。なんて思っていたら
「さあ、来たれよ二人の勇者たち。手加減はせぬぞ」
そんなどこかのゲームのような言葉をきっかけに僕らは戦った。
そして案外簡単に決着はついた。
「おいおい雑魚すぎじゃないのか。なあ」
呼びかけると
「いや、これからが本番だ。奴は覚醒するんだ。一度倒されたらより強力になる。それを倒すと確実に消滅するんだけどな」
なんだよ。その後付けっぽい設定。
なんて思ったが、もう悪魔も覚醒し終わったようで
「まさか第一段階を倒す奴がいたとはな。前に第一段階を倒したのは四百二十年前のことだったかな。いや四百十九年前だったかな。まあどっちでもいいや。久しぶりに全力を出せるんだからな」
という言葉の後に
「うぉーっ」
そんな奇妙な雄叫びをあげて姿がよりまがまがしくなった悪魔と闘うことになった。
俺の能力で悪魔の注意を惹き付け彼女が攻撃する。
彼女の攻撃はかなり強いらしく、悪魔がかなり悲鳴を上げているのだが全然倒れない。まるで1レベの勇者がラスボスと闘ってるみたいだ。
こんなにレベルが違うなんて。
それでも少しずつあいつにも攻撃をしているのであいつの体力を減らしている。
しばらくの攻防を終えて手が空いた僕は悪魔の心臓? 胸? らへんに蹴りを入れて地面に着地する。
「どうだ?」
言って悪魔の様子を見る。
「うわぁーっ、くそ、こんな奴らに負けるなんて」
言って消滅した。
完全に消え去った。
「やった。これで俺たちの勝ちだ」
なんて喜んだら
「そうね。早く戻りましょう」
酷く冷たく言われたが彼女も相当疲れているようなので
「そうだな、もう戻ろう」
そう言った瞬間、僕の視界一面に光が広がった。
目を開けるとそこは僕の家だった。
もしかしたらあれは夢だったのかもしれないし、夢のような現実だったのかもしれない。でも僕が体験したことは紛れもない現実だった。
でも、それは間違いなく僕の心に残る思い出になったのである。
どうだったでしょうか、この作品は?
面白くなかったかもしれませんが、これから精進します。
読んでいただいた方に最大の感謝を!!