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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

神様殺せって?参謀役に頼むなよ・・・

作者: 加羅加羅


招かれるように古い石造りの階段を上っていた


幾つ目の鳥居だろうか?後ろを振り返れば最初にくぐった鳥居は見えない


薄もやの中、足を止めることを忘れたかのように前に動き続けた


階段が消えた、単に終わっただけだが


気付くのが遅れたため、そこにあった物が消えたかのような


妙な違和感が残った



周りは未だに薄もやに包まれ、霧が体にまとわりつく肌寒い感覚があった


突然、目に光が飛び込んでくる


まぶしく、目をきつく閉じ、腕で目を庇う


目の疼痛が薄れた頃、恐る恐る腕を下に降ろし


薄目を開けて前を見る


そこには木造の、大昔に出来たようでもつい先刻出来たようでもある


不思議な神社があった


「・・・おや、お客さんのようだね?いらっしゃい。」


頭を丸め法衣を着て竹のほうきを持った神主が・・そこにはいた


太陽は俺の後ろにある


ならば、先ほどのは神主の太陽拳か・・・


この神主、もしかしたら地球人最強の男かもしれない


「・・・こんにちは」


「こんにちは」


人の良さそうな笑みを返しながら俺に答えた


「ここはどういった神社なのですか?」


先ほどから、狛犬も狐も獅子もネズミも何か守護していそうな物はどこにもなく


奉ってそうな神も見あたらない


「そうだな・・・ちょっとあっちとあっちを

見てもらえるかい?」


「・・・おぉ」


ゆうに三十メートルはある鳥居が、そこにはあった


「なんすか・・・あれ」


「ふむ、鳥居・・だよ

この神社が祀っている神様の・・・ね?」


どんだけでかい神だよ・・・と心の中で突っ込みを入れるのを忘れずに


俺は、何の神か聞いてみることにした


「一体全体、どんな神なんですか?」


「それは、時空と空間の神だよ」


「・・・どこのポケモンですか?」


まるきり、ディアルガとパルキアとかそんな話だった


「・・・?なんの話しだい

ポケモン・・・というと、ポケットモンスターという英語の略の事かな?

だとするとアメリカの俗語で、ポケットの中のモンスターとして

男のあれという意味であっているのかな?

しかし、それだと鳥居と全く関係がないよね

・・・では、なんなのかな?」


「・・・流行のゲームの名前で

その内容に、時空と空間の神が同時に集うてんがんざんとやらがありまして

その話しに酷似しているな-と」


「ふむ、確かに似ているね

だけど、この二人が何故ここにいるか知っているかい?

・・・ちゃんと理由があるんだよ?」


「二人?」

神様の数え方なんて一神教が多いこの世界では

多くの矛盾があるし、大抵奉られている神は元人間なのだから

問題ないのかもしれないが・・

神主が神を二人と数えるのは意外であった


「ふふ、あぁ彼らは

僕の先祖なんだ、だから、二人なんだよ」


・・・あぁ、なるほど


「そうなんですか、では

なんでここに、神がいるか教えてもらえませんか?」


「あぁ・・・それは

昔々、違う世界から神のような力を持った

悪魔がやってきたんだ

・・・その時に、ここにいる神様達は

その神様を、あそこの・・・見えるかい?

ちょうど僕の後ろにある鏡に封じ込めたんだ

その封印が解けないように、未だにここにいる・・・らしいよ

僕は見たことが無いんだけどね?」


といって、神主さんは笑った

やはり、人の良さそうな笑顔だった


前触れはなかった、何の音沙汰もなくいきなり

時が止まり、空間が裂け、俺の目の前に二人が現れた

「え・・・?

・・・あぁ、どうも初めまして

先ほど話題に上がった、時空と空間の神様たちですか?」


「はっ、まぁそうだ」


「・・・ユーキシェ無愛想すぎるでしょう

はぁ、まったく

ごめんなさいね、この人ツンデレなのよ」


「だ、だれがツンデレだっ」


「あなたよ、ユーキシェ

・・・はぁ、このままだと話が先に進まないから

そのまま続けるわね「な、ちょっと待て俺はツンデレじゃ・・・」続けるわね?」

「・・・はい」


かかぁ天下というやつだろう

時空か空間を操るなら天下無双かもしれないが


「何の御用でしょうか?」


「・・・そうね、言うわ、けどその前にまず

その、表面上の会話をやめてもらえませんか?

心の淵が見える私たちには、違和感がひどいので」


「へぇ、まぁ申し訳ない

言葉上はいくらでも取り繕えても、心の声はかえられないしなぁ

ま、そういうならばお言葉に甘えて口調を戻す。」


いや、なんか神社とかだと緊張して自然丁寧口調にならない?

ならない・・・そうですか


「ふん、だれが人間などという下等な種族なもの≪ぺぎゃ≫がはぁ

「本当すみません、ユーキシェったらまだ人間じゃないと言い張ってるんです

後で、たっぷりとしつけておきますから

・・大目に見てください」


「は・・ははっ、い、いやだなぁ

そんな、怒るわけないじゃないですか・・・は、ははっ」


頭潰したーーーーっ!!!

神様だから、死んでないんだろうけど死んでないんだろうけどっ!!


「さて、じゃあ本題に入らせてもらいます

あなたにはこれから、神隠しにあってもらうことになりました」


「・・・はい?」


なぜ?Why?


「先ほど、神のような力を持った悪魔の話は聞いたと思います

そいつが、今から丁度一年前

この結界から逃げました、ですから、その悪魔をあなたに倒して貰いたいのです」


「はい?・・・え~と、ちょっと待って?

相当昔に封印した悪魔が、あそこのにある鏡の封印から逃げ出した?

「はい」

それで、その悪魔を俺に倒してもらいたいと・・・つまりはそういうことか?

「はい、ちなみにその悪魔は力を溜め込むために異世界で療養中です

私たちを倒すために相当力をつけてくると思うので

後、三年ぐらいは異世界にいると思います

そこであなたは、異世界に言って力をつける前のやつを倒して貰いたいのです」


「待て待て待て待て、ちょっと待て

ちなみにって補足情報のレベルじゃあないぞっ!」


厄介な書類の禁則事項みたいな感じだ

ほら、下の小さい字


「まぁ、そうかもしれませんね

では、準備はよろしいでしょうか?」


「言い訳ねーだろっっ!!」


この状況で準備って・・・


「むぅ、何が不満なんですか?」


「何が不満て、いきなり俺が死にそうな目にあってることですが!?」


「な。なんと

巧妙に隠したはずなのにばれている!?」


「神の力を持った悪魔と戦うと聞けば

解りたくなくても解るっての・・・」


「あれ、なるほど・・・」


「・・・帰っちゃだめですかね?」


俺は、んなヒーローには向いていない

よくて参謀だ、適材適所という言葉もある

もっと、適役を当てはめるべきだろう


「駄目です、拒否権はありません」


・・・あぁ、俺に人権はないのかと

妙なところでオカルトを実感する今日この頃


「・・・じゃ、実力行使でっ」


後ろ向きに

全力全開前進DA--≪ゴツン≫

・・・?痛い


「空間と時間が隔離された空間から

一体どこに行こうと・・・」


「おっしゃるとおりで・・」


「では、もう気は済みましたか?」


「ちょ、ちょいまって

いくつか質問したいんだけど、いいか?」


「・・えぇ、かまいませんよ」


「え~とまず、なぜ俺なんですか?」


「あぁ、それはですね

あなたが、イレギュラーを起こしたからです」


「はい?」


「えぇっと、本来

あなたはあの話を知ることも、そもそも、ここにくることさえ

ありえるはずの無い存在なんですよ」


「・・・はい?

じゃあ、そもそも、俺はここに来る予定じゃないのにきたんで

悪魔を殺すことになったとそういうこと?」


「簡単に言うとそうですね」


「・・・はぁ、ま、それは解ったけど理由がわからない

招かれざる客みたいなものか?」


「いえ、我々としては歓迎すべき客人ですよ

それで、なぜ、違う未来を選択したから異世界に送り込まれるかでしたっけ?」


「・・・まぁ」


異世界にほおりこまれることを告げられたせいか

軽くメランコリーになった


「それはですね

起きうるはずの無い行動を起こしたものは

その後の未来が、不安定になるんですそれも

予想外の度が大きければ大きいほど

なので、異世界への改変が楽に行える

だから今月、一年の中で最も霊力の集まる三の月にここにきて

しかも、我等に会うなんていうイレギュラーを起こしたので

いまや、私たちの時空に隔離しておかないと

送り込もうとしている異世界より、違う異世界に勝手に

迷い込みそうなほど、あなたの存在はふにゃふにゃです

だから、ですね。」


滅茶苦茶だ、でたらめ過ぎる

しかし、ここまで見せられていまさら否定もできない

さて・・・


「・・・解った

ただ、何の力も無く俺が行っても無意味だ

何で、非常識とあった神様が行ったらどうだろうか?」


・・・心のそこからいきたくねーなぁ~


「う~ん、ただ私たちは

この世界から離れられないので・・・

あなたもいやですよね?時間の流れがあちらこちらでおかしくなったり

空間に穴がたくさん開いたら・・・」


・・・うん、間違いなく大勢の人が死ぬな


「あぁ、それと

私たちが死んでも、代わりが見つかるまでそうなります」


「うわぁ、拒否権が無い」


「そうです、さっきも言いましたけど

拒否権は無いです・・・しかし」


「・・・しかし?」


「何の力も無く送り込んでも意味が無いですよね・・・

解りました、向こうの世界の神と交渉してみます」


「え?・・・あなたは、無理なんですか?」


「えーと、この能力すごく燃費が悪くて・・・」


「はい」


「大体、一個唱えるのに

平均人一生分のエネルギーが・・・」


「・・そりゃ無理ですね」


「ですよね」


・・・このままいても、どうせ飛ばされるか

なら、さっさと行こう

後、二年の間に悪魔を倒すのか・・・

できるのかな?まぁ、いいか

やるだけしかやれんからやるだけやろう


「ふぅ~・・・じゃあ

飛ばしてもらえますか?」


「解りました、では」



言葉に表せないような、音、のようなものを聞いた気がする





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