第9話 竹馬
ついに、竹馬の材料は、そろいました。
さてさてどんな竹馬ができたのでしょう?
リドルの作った竹馬は、つる草が丈夫で、どんなにのばして縛り付けても、切れませんでした。
足を置くステップの部分は、木の木目がほど良い滑り止めの役割をして、それでいてかるかった。
「完成だ!さあ、この本の絵のように乗ってみてくれよ。」
リドルは、できた竹馬をストックに渡すと、キラキラと輝く目でストックを見つめました。
「なんか違う気がするけど、まあいいや。」
ストックはさっと、本の絵を見て竹馬に飛び乗りました。
すると、竹馬はストックを乗せたままドッシーンっと、地面へ真っ逆さま。
さすがのビングもその大きな音で飛び起き、リドルの部屋へ行きました。
「リドル、大丈夫だか?」
ビングがリドルの部屋に入ると、ベットの下で頭をさすりながら座っている、リドルの姿を発見しました。
「 イタタ、ベットから落ちちゃった。大丈夫、たいした事ないよ。」
ビングは、リドルの頭をさすりました。
「気をつけるだよ。今、氷さ持ってきてやっから。」
リドルは、ビングが部屋を出て行くのを見届けたあと、ベットの下に隠れていたストックに
「今日は、竹馬を持って家に帰って練習! 明日、夜に麦畑で会おう。」
そう言ってストックを窓から追い出しました。
そしてそのあとすぐに、冷たい氷の入った水袋を持ってビングがもどってきました。
「窓を開けてると、風邪をひいちまうぞ。ほれ、頭だせ。」
ビングは窓を閉めると、やさしくリドルの頭に水袋をあてた。
「父さん、もうほんとに大丈夫だから。」
リドルの言うことにビングは、うなずくとリドルの頭をなでて部屋へ戻りました。
リドルはビングの後姿を見ながらいつか、最近起こった不思議な出来事を全部ビングに話そうと思いました。
そうして、リドルは暖かいベッドに入りました。
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