中学校に行けていない主人公の小春が、高校進学について考える物語です。
私は不登校だ。
今、中学三年生で別室登校をしている。
公立中学の劣悪な環境が、精神的にキツかった。
授業中なのに響く叫び声や笑い声。
筆箱や消しゴムが飛び交う教室。
それでも教師は注意しない。
教師は、
誰も聞いていない、聞こえていない授業を、淡々とこなしていた。
大きな音で頭痛を起こす私のほうが、
まるで異常みたいだった。
皆にとっては、これが「普通」だったのだ。
そうして、私は少しずつ学校を休むようになった。
中学に行けなかったのは、あのうるさい教室が合わなかったからだ。
静かで、授業に集中できる場所なら、私は毎日通える――そう思った。
だから高校は全日制に行きたかった。
青春も、大学受験も、諦めたくなかった。
けれど、公立高校には内申点がいる。
テストも宿題もこなせていない私には厳しい。
だから、私立だけを受ける専願でいこうと決めた。
そう思って、中学三年生から別室登校を始めた。
静かな環境なら、
私でも毎日学校へ行けると証明したかった。
毎朝、他の生徒に混じって登校していた。
けれど一学期の途中から、朝、起きられなくなった。
原因は分からない。
「またか」
中学一年生のときも、そうだった。
朝起きられる日が少しずつ減って、
やがて学校に行けなくなった。
こうして私は、
毎朝学校へ行けるという証明ができなくなった。
「全日制高校に行く」
その目標は、
朝起きられない私には遠いものになってしまった。
――それでも。
他の進路を探そう。
そう思って、私はスマホを手に取った。
こうして私は、暗闇の中で、
前か後ろかも分からないまま歩き出した。
それでも、自分は前に進んでいると信じて、
高校探しの旅に出た。




