↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/84

第29話 ワクワクを計画する

 文化祭は、無事に終了した。


 メイド喫茶は優勝こそ逃したものの、最高品質賞に選ばれている。


 打ち上げに、1年B組の生徒たちはカラオケボックスにいた。七海にとって、生まれて初めてのカラオケである。


 嫌がる御影に、無理やり歌わせようとするクラスメートたち。


 そして御影。イケボなのに……歌は……


男子A「御影のイメージ、変わった! 歌なら、俺のほうがマシ!」

女子A「御影、あんたも人間なんだね……」


 御影はなんでもできる。弱点なんてない。七海もそう思っていた。


 でも違った。なんでもできる人間なんていない。


七海「ねえ、みんな。文化祭、みんなと頑張れて嬉しかった」


 いきなりまっすぐな物言い。


男子B「やる前は面倒なんだけど、やってみたら楽しいみたいなこと多いよね」


七海「うん。でね。考えたんだけど。イベント、与えられるばかりじゃなくて自分たちでも計画したい」


美月「前にそういう論文、一緒に調べたよね(※1)。ワクワクは待つんじゃなくて自分で取りに行く」


七海「そう。だからみんなで、予定合わせてワクワクすることしたい」


女子B「いいね、なんかやろう」


男子C「打ち上げ、バイトで来れなかったやつもいるし誘いたいよね」


夢咲「グルチャ、投げた。うちらだけじゃなくて、ここ来れなかった奴らにも聞こ」


 カラオケが進んでいる。


 その間、1年B組のグループチャットで意見が交わされていた。この場にいないバイト中のはずの男子から「BBQとかどうよ?」と提案がある。


「わり、金欠」

「余ってる食材持ち寄るとか?」

「親父が釣ってきたまま食べてない魚が冷凍庫にいっぱいある」

「うちも賞味期限ちかいやつとかあるかも」

「BBQいいね!」


「みんなの私服、楽しみ」


 確かに、みんなの私服姿も見てみたい。恥ずかしいけど、ワクワクする。


 ただ七海は、財政事情から最低限の私服しか持っていない。


——ワクワクを企画すると自分が変わる


 七海は、クラス女子だけのグルチャに「私服ほとんどない。古着、買い取りたい。いらない服あれば譲ってください」と投げた。


「七海はスタイル良すぎ。私のだと無理」

「家庭科部の男子に直してもらえ」

「そか」

「お、それなら。結構、あるぞ」

「捨てようと思ってたの、やる」


七海「だめ。もらうのは、悪い。買わせて」


「じゃあ、捨て値でいい」

「私も探してみる」

「みんなで着なくなった服、交換しない?」

「サイズ直しは家庭科部の男子いるし」

「お直し料、ちゃんと払うべき」

「当然」

「ていうか、金欠って言ってたの家庭科部じゃん?」

「ちょうど良くない?」


 自宅にいる女子から、早速、写メが貼られる。フリフリの清楚系ワンピース。


「お、可愛いじゃん」

「それ、いらないの?」

「私、欲しいかも」

「おま、清楚系ちがうだろ」

「w」

「だったらさ」

「?」

「服交換して、イメージ真逆で男子おどろかせる?」

「おもろい」

「夢咲、清楚系」

「ウケるwww」

「七海は無理してギャルだから清楚系に戻れ」

「もといた森へ、帰れ」

「森へ、帰れ」

「っていうか、帰れ」

「www」

……


男子D「みんな、俺の歌、聞いてくれよ!」



第29話まで、お読みいただきました。嬉しいです。本当に、ありがとうございます。


少しでも、読めるところがあったなら、是非とも☆評価をお願いしたいです。執筆の励みになると同時に、明日もまた頑張っていこうという気持ちになります。


さて。


森へ帰れ。これは慈悲の言葉のようでありつつ、運命や相性を肯定する言葉です。究極的には、遺伝です。ですがそれは、あくまでも統計的な事実。平均の傾向にすぎません。森へ帰る必要はありません。あなたが、どうするのか、決めの問題です。とはいえ、自分の森はどこなのか、それを考える意味は大いにあります。


引き続き、よろしくお願い致します。


参考文献;

1. Gere, J., Almeida, D. M., & Martire, L. M. (2016). The effects of lack of joint goal planning on divorce over 10 years. PLOS ONE, 11(9), e0163543.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。