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ここちゃん、3月11日を想う!?

作者: ひな月雨音
掲載日:2025/03/11

 このお話は、菜須よつ葉様の作品

【Q 〜憧れと雰囲気だけの名探偵は、華麗な推理にまるっと乗っかる〜】の世界をお借りして書いた物です。


 3月11日への想いについては私ひな月が、キャラクター達は菜須よつ葉様が書いてくださいました。


 2人で紡いだあの日への想いです。

 星見台高校2年の兵衛九の教室で、東日本大震災についてのホームルームが開かれていた。担任の先生が、当時の気持ちなどを受け持ちの生徒に話し始めた。



 2011年3月11日──


 明日で14年が経ちます。皆さんは長く感じますか? それともあっという間に感じますか?当時皆さんは3歳ですね。


 先生は生徒を見渡し話を進める。


 先生は何年経とうと、今もあの日のあの時間に取り残されたままの人達を想うと、胸が引き裂かれそうになります。風が強い日に窓ガラスが揺れるだけで鼓動が早くなったり、歓声が怖かったり、震度1の揺れでも身体が強張ることもあります。


 先生は、ここで言葉を一旦止めて、生徒ひとりひとりをみつめて言葉を続けた。


 それでもこう思うのです。


「たったそれだけのこと」


 生きているし、大切な人達も傷ついていない。だから顔を上げて前を向ける。


 その繰り返しの14年。あの日からひと繋がりの14年。自然を前に、なす術もなく悲しみに明け暮れた日々の中で、私達は絆という名の光を頼りに今日まで生きてきました。


 先生は言葉を続ける。


 心に差したその光は、私達が迷わないように一本の道を示してくれているように思います。まだあの日から時間が動いていない方がいらっしゃったら、私からこの言葉を贈ります。


「今日も生きていてくれてありがとう」


「14年前のあなたへ、どうか手を差し伸べてあげてください」


 そして──


 あなたが、あるいは誰かが忘れなければ、亡くなった人達は、本当の意味で亡くなってはいないと思います。


 それが1年にたった1日でもいい。


 3月11日を、そんな日にしてみるのもいいかもしれませんね。


 クラス全員静かに聞き入っていた。そして全員が先生の話に惜しみなく拍手を送った。


「先生! 黙祷忘れてるよ。ちゃんとしなくちゃ。先生お忘れさん」


「兵衛、たまには良いこと言うな。それじゃあ、1分間黙祷しようか」


「先生も黙祷したら、誰が1分を計るんですか?」


「ここちゃん、そういう質問はしちゃダメだよ」


 クラスメイトも残念だなぁみたいな顔で俺をみている。


「でも、みんな疑問に思ってるよね?」


 その質問の返事はなく、ここちゃんを除くクラスメイトと担任が黙祷を捧げた。

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