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06 科学者と感情



「さて、僕の目的はお金でね、ハートはかなり強欲だから僕にお金を分けてくれなかったんだ」


「…仲がいい訳では無いのか?」


「んー、ジャックくんにあまり情報を与えたくないんだけど、まぁみんな己の我を突き通したい人が集まって出来た組織だからね」


己の我を…ハートは男への…復讐?高い殺意を持ってるし、お金よりも男を殺すことに執念を燃やしている様子だ


クローバーは…まぁ発明欲だろう、似たような発明家もいると言ったし、その中で抜きん出た存在になりたいとか、そこら辺だろう

背も小さいし


「失礼だね?」

そうだな


「まぁだいたいあってるよ、少なくとも、この街で一番の発明家に僕はなりたい、そのためにはお金が足りない、他のみんなみたいにダンジョンで稼げないから僕バイトしてるんだよ?偉くない??」


なんか思ってたより苦労してる発明家出てきたな…


「しかもこんな見た目だから夜の仕事系は門前払いだし、それでも求める奴は変質者だ

仕方なくファミレスのウェイトレスですけど」


せちがれぇ…


「そこのバイト仲間にもさぁ!変質者はいてさぁ!!何だこの町ロリコンばっか蔓延りやがって!!このナリじゃなかったら刺し殺してるのに!」





そこから数時間くらいクローバーの愚痴を聞かされ続けた

ついでによく分からんお菓子も一緒に食べた、仲良くなった気がした

うん、フルフェイスヘルメット、外してくれたんだよ、またつけられたけど



でもなんかイメージとかなり違う…

最初は言うことを聞かせるために発明兵器で理性奪ったりとかされると思いきや、愚痴て



「仕方ないだろ?君のスペックが測りかねてるんだ

さっきのスキャンのやつ、あれでキミは一瞬気絶した。

でも本来は1ページで一瞬気絶レベルだから、本1冊なんてスキャンしたら普通…少なくとも僕は1週間目が覚めない、ハートでも数週間は寝込むだろうね」



「…は?」


「頭も体も作りが違うんだ、たぶん物理的に」


やれやれといったふうにかぶりを振るクローバー


「…だから、僕の持ってる催眠の機械は効かないかもしれないし、効きすぎて廃人にするかもしれない」


こっわ、このコこっわ!

「しないさ」

え?


「君の相槌を聞いてて、君のコスパの良い能力のことだ、君は催眠なんかかけなくても頼めば僕のために魔法を使ってくれる、そう思ったからね」


「……まぁいいですよ」


…科学者が感情に訴えかけちゃダメでしょ



クローバーの目の前の空間に、金貨を発生させた

魔法はイメージが大事だと、常識的な本が教えてくれた

なら


念じる、蛇口をひねるように


すると、垂れ流し続けていた金貨の流出は止まったのだった


「へへ、ありがとね…また来るけど」

「…おう」


悪い気はしなかった




目の前にはプンスコとビジネス怒なハートがいた



「魔導書も読まずに魔法の扱いが上達するなんて生意気過ぎない?それに空間に金貨を生み出したの、あたし見てたんだから」


確かに娯楽本リストの中にグリモワールはなかったな

この世界で生きていくための金はある

知識も可能性がある、あとは



「武力かな?街中でも魔物は沸くし

でも大丈夫、何か心配してるみたいだけど、ジャックはここから逃がさないし、あたしが逃がしてあげない、ずっと、ずーっと、一生一緒だよ、もちろんオサイフとして♡

守ってあげるからね」


清々しい言い切り、むしろ信用出来るくらいだ

食事も食べさせてくれるし、紐どころか飼い犬、愛玩動物レベル…以下だが

ある意味では悪くない



ことはねぇよバカ、イチャイチャがあったりならまだわんちゃんあるけど

「はぁ?男は死んで然るべきでしょ」


ですね!アナタはそういう人ですね!


「でも〜ジャックなら特別♡だぞ♡」


何も無い空間を触るハート

ハートには制御パネルみたいなのでも見えてるのだろう




ハートと濃厚で濃密な時間を過ごす記憶が流れ込む

「ぐぅ…」

ジャラジャラと情けなく金貨が生成されるあたり泣きたくなってくる


「アハッあはは!なっさけない顔!きっもぉ!!」

クソ女が、記憶の中ならニャンニャン言わせてるのに…!

「くふ、ざっこ、きっもぉ、みっともなぁ!」

うがぁああ!!




ちなみに、催眠、洗脳の拷問をハートが独自に弄った機能がこれらしい



どうやら脳が焼き切れて廃人になることは無さそうだ

読んでくださりありがとうございます

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