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04 異世界言語ラーニング



車に乗せられた自分は


綺麗さっぱり、人間らしい待遇を受けていた


車はやはり?キャンピングカーで、中にはシャワーを使えるところがあった

そこでドロドロだった自分はフルフェイスに丸裸にされ、中に入れられ、全身洗浄(自動機械)された


お湯はいい、ゆったりは出来なかったが、綺麗さは心に余裕が生まれる


冷や汗と共に流していた銅貨は止まり

ホカホカな湯気と共に質のいい金貨になって出ている



金貨になったとたん、フルフェイスが喜びの声を上げ、(恐らく)運転手の方に向かって走っていった


直ぐに戻ってきたが

…この車はキャンピングカーのようだが、大きさがトラック並はある?

中型トラックとでも言ったところか





「〜〜〜、〜〜?」


「へ、えっと、言葉が分かんなくって」


「ーー!〜〜!〜」


フルフェイスが間近に迫る

反射具合から自分の顔しか見えないし、至近距離すぎてそれしか見えない

あまりにも圧がすごいのだが


椅子に座らせられ、この尋問?(縛られたりはしていない)の前にフルフェイスがぴっちりしたスーツを脱いだのだ


すると目を引くような乳房と、鼻をくすぐる女性特有の匂いがする

加えてかなりの薄着なこともあり、さっきからジャラジャラと金貨が止まらない



フルフェイスが、フルフェイスヘルメットを脱いだ


金髪クルクル髪の毛、ドリルか…?

そしてギャルっぽいメイクの女性は

脱いだフルフェイスをそのまま自分に被せた


ガポッ


顎下がキュッと締まる感覚に一瞬ヒヤッとしたが、首が締まるとかはなかった



『ーーー、ーーー』

何かしら音声が流れると、フルフェイスがチカチカとして、視界がクリアになった


「わぷ…これ、は?」


「ーーー?」『ーーー』


次の瞬間、脳が焼ききれた



「が!?ぁあ!!!??」


さすがに例えだが、脳が真っ白になるような衝撃が流れ込み、意識が飛んだ


「おわっはーやっぱり異世界人じゃーん」


「…な、言葉がわかる?」

「うん、分かるよ〜」『異世界人に使えるって売り文句マジだったのか、コレ』


目の前のギャルの言葉と、フルフェイスの通信越しの会話が聞こえてきた

「おおお、言葉が分かる!」


「わ!キモー、金貨ジャラジャラなんですけど!」

『拾え拾え、金はいくらあっても良い』



「ありがとう、ありがとう」夢から覚めたいと思っていた時はどうなるかと思っていたが

まさかこんな幸運が、転がり込むなんて


「よーし、じゃあ改めて、色々聞きたいんだけど〜、まずは…私の貯金箱の上に乗ってもらおっかな」


「はい!」

『は?抜け駆けか?』

「後で分けるから〜」





「あの、この中感覚が無いんですけど」

「無限収納袋だからね〜」


「あ、フルフェイスの機能を…」『それは私がやろう』


フルフェイスの視界がさらにクリアになった


今の状態の把握をしよう

サンタが担ぐような白い大きな布袋

そこに半身浴のように体を入れて…するとバランスが取れなくなるので脇下から紐を通されて、ギャルの目線に合うように吊るされている

脇の下がちょっと痛い…


あと下半身の感覚がなく不安で仕方がない

これもし漏らしたらどうなるんだ…?


それでもなお、金貨の止め方が分からず、少量だが生み出し続けているが


(壺おじならぬ袋おじだな…)



「さてさて、傷が酷いけど、まぁモブ顔なオニーサン、名前はなんて言うの?」


ギャルが顔を近づけて聞いてきた、いつの間にか着替えており、胸元が強調されている

興奮しているはずだが、下半身が実質ないので…


「名前は………?」

『忘れてそうだな』


「ふーん、じゃあジャックポットからジャックね、カッコイイ名前だからいいよね?」


『ついでに私はダイヤだ』「あたしはハート」

「え、あ、はい…」


ダイヤ、ハート…ジャック

まるでトランプみたいな並びだな


「え、そうだけど、ハンドルネームってやつ?直ぐにジャックって出た私のネーミングセンスヤバない?」


「あ、ひゃい、やばいです」


近い近い!顔が近い!!ハートさんえっちだぁ!


一瞬キスでもされるのかという程に顔が近づき、シンプルに顔が熱い



『ちなみにスペードとクローバーもいるぞ』


「…あ、はい」


…男だろうなぁああ!まぁうん知ってたよ、こんな可愛いハートさんにオトコがいない訳ないし、大人っぽいダイヤさんとニーニー、数もあってる


はぁ…


「ぶは!露骨に落ち込んでるじゃん!ウケる!銅貨になってるんですけど!!ちょっとー、ダイヤちゃーん!」


『え、あ、なんかすまん?』

「あとでイイコトしてあげる(囁き)」


視界がハートの胸部で埋め尽くされた

惜しむらくはフルフェイスに阻まれて映像処理で終わってしまったということだが


顔が熱い!


腕もツイ伸ばそうとしたが、ぶら下げられる痛さ軽減と落ちたくない一心でぶら下がり紐を掴んでいたのでハートさんにお触りすることも叶わなかった



「お、金貨に戻った、単純だね〜ジャックは」


はい!単純です!


「ふふ、キモ〜ちなみに疲労度ってどんなもん?」


疲労度?

あまり疲れていないが…


するとフルフェイスの内部に画面が映った

ステータス表示のようで


自分について、様々なことが数値化されていた

ステータスによっては黒塗りで潰されているところもあったが


特に目を見張ったのはMPのところ

100分の99…99/100の数値が


100/100→99/100→100/100を繰り返しているのだ



『疲れはじわじわと溜まっているが、まぁ生きてる証拠だとして、魔力はこの調子だと無尽蔵だな…いや、金貨の魔法のコスパがいいだけか?』



「ふーん、えげつない魔法だね〜じゃあこのままでいいや」


え、疲れてたらどうだったんです?解放されてたんです?



「え?解放なんてしないよ」


「え?」

「ん?」



えっと…おかしなことが起きてませんか?


「んっと、なんのことだろ」



金髪ドリルギャル、ハートは悪そうな、ニヤリとした表情をした

ありがとうございます

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