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01 お金ならあるんです


「あの、おがね、おがねならあるんです!」


何も持っていなかった右手をグーパーと結んで開く


ジャラジャラジャラ…



するとどうだろう、右手からこの世界のお金だろう金貨がこぼれ落ちる

億万長者どころか一生以上、人生何周分でも豊かに暮らせるお金を溢れさせることが出来る


「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」



あぁ、しかしなんと無駄なことか


このキンキラ金貨を見て汚く笑うのは人ではなく魔物


ゴブリンだった





ふと気がついたとき、自分が立っていたところは森の中だった


訳が分からなかった

ついさっきまで風呂場で湯船に浸かりながらスマホを見ていたはずだったのに


夢でも見ているのだろう、その考えに至るのはすぐだった

森の中、とは言ってもけもの道とかではなく

「舗装された道路」だったから


でもだけどしかしなぜか!


目線の先の森を見れば食虫植物、それも等身大どころか怪物クラス、ゾウか?

おぞましくて後ずさる、ガードレールに当たって、振り返ると遠く遠くに街の灯りが見えた


…なんかレーザーライト?カジノとかイルミネーションとかそんな光が天に伸びていたけど

まぁ街だ


街に行こうと決めると、後ろ、食虫植物からクッチャクッチャと音がする

恐る恐る振り返ればやはり何かモグモグしてるし、そのツタが自分に伸びてきていた



黙って道路を走り出した



夢から覚めろと願いながら一心不乱に走り続けて、我に返ったのはジャラジャラと何かが落ちている音がずっとしていたからだった


その辺で息が切れたので、立ち止まり振り返ると銀色の高価が道路沿いにばら撒かれていた


汗を拭うとジャラ…息を整えるとジャラ…



よぉくみれば落ちていたのは百円玉で平成4年と書いてあった気がした


そんな小銭は自分から汗のようにジャラジャラとこぼれ落ちていたのだった



「……変な夢ぇええええ!!」


夢から覚めたくて叫んだが

残念ながら鼓膜が震えただけだった



現状の位置は遠く遠くに明るい町

山…?崖?沿いの道でガードレールを頼りに走っていた

森側は怖くて近づきたくない


てか夢だから暗いと思ってたら普通に夜、なぜなら月が2つも見えるから



「何この夢えええええ!」


錯乱状態だった自分は、森から来ていたグゲグゲ言ってる生物に気が付かなかった

いや、正確にはソイツらに意識をさけるほど余裕がなかっただけ



ボゴォッ



殴られて、叫ぶ気力もなくその場に崩れ落ちる

薄れる意識の中で見えたのは自分殴ったやつ


漫画アニメとかフィクション代表、ゴブリンだった

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