仕方がない
「何か来ます。逃げましょう」
「わかりました」
リーゼロッテはそう言いながら、ファルンフォルムの方を見ていた。
「ファルンフォルムは興奮していて乗れる状態じゃありません」
「このまま置いて行くんですか?」
こちらをジッと見てきたので俺はナイフを取りだし、手綱を切った。すると一目散に逃げて行った。
「これでいいでしょう?我々も逃げないと危険です」
後ろからは木々がなぎ倒される音が聞こえる。音の主はこちらに近づいて来ていた。俺はバイクを出しエンジンをかけた。
「こ、これは何ですか?」
リーゼロッテは怯え驚いていた。
「さぁ、乗って」
「あ・・・う・・・」
足がすくんでいた。
(これでは乗せるのは無理か)
「guaaaaa」
「きゃっ」
「くっ」
とどまっていると大きな猪が出てきた。俺はロケットランチャーを出し
「くらえ」
ロケットランチャーの引き金をひいた。
「guuuuuuu・・・・」
見事猪に当たり倒れた。
「ふぅ」
俺は汗をぬぐった。
(今のは焦ったな)
「ごめんなさいわたくし・・・・」
リーゼロッテは下を見ていた。
「いえ、怖かったんですよね?」
「・・・」
リーゼロッテはかなり落ち込んでいた。
「いえ、こちらこそ無理難題をさせようとしてすみませんでした」
彼女はおそらく安全なところ暮らしてきてこんな危機に出会ったのは始めてなんだろう。だから動けなかったのも無理はないな。
「私も初めて猪に会った時は泣いてしまいました」
「えっ?そうなのですか?」
彼女はバッと顔を上げた。
「ええ。なので恥じることはありません」
俺は手を差し出した。その手をリーゼロッテは掴んだので、俺は彼女を立たせた。
「お怪我は?」
「ありません」
たしかに怪我なさそうだが、尻餅をついたせいで服が泥だらけになっているな。どこかで服を綺麗にしないとな・・・!
「誰だ?」
後ろから気配を感じ、俺は戦闘態勢に入った。
「ひぃ」
「待ってくれ。俺たちはコラリムだ」
そこにいたは鍬を持っている男と斧を持っている男だった。