表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/60

飛行機の中での裏切り

短編から少し設定を変えています。ご了承ください

「zzz・・・」


俺が車の中で寝ているとインカムから呼び出し音がなった。


「ん?もしもし」


俺は通話モードにした。


「寝起きかいソフト?」


「ああ。運び屋か?」


俺はエージェント。ソフトと呼ばれている。8歳のころから組織にいて、訓練を受けていた。16歳からは実行役も行った。そこから8年経ち24歳になった。


「依頼の品は全て運搬が完了したよ」


インカムから聞こえる声の主は依頼すれば指定した時間、場所に運んでくれる便利屋だ。通称『運び屋』と呼ばれる。正体は不明だ。会ったことはあるが大きなローブを着ていて声も今みたいに変えているので男か女か、若者か高齢者か何もかもが不明だ。


「わかった」


俺は万屋から指定された口座に料金を振り込んだ。


「送ったぞ」


「確認しましよ。お買い上げありがと~」


「しかし今回は随分多めだね?」


「今回は大物だからな」


今回のターゲットはホバンス将軍。近々クーデタを起こそうとしているらしい。部下が2000人はいる手ごわい相手だ。だからプランは10個用意した。ゆえに必要な備品の数も増えた。


「これでは赤字になるんじゃないの?」


「たしかに失敗したら大赤字だな」


「そっか~」


俺たちは笑い合った。


「成功を祈っているよ。お得意様が廃業されては困るから」


「そうか、なら神に祈ってくれ」


「・・・そうだね」


そして通話が切れた。











「着きました」


空港に着いた。あまり目立たないように今人気のファミリカーにした。運転手はもちろん組織の人間だが、よし知らないやつだ。まぁよくあることだ。組織に入って1年で70%の確率で死ぬような世界だ。


「ご苦労」


「私は行きます。ご武運を」


空港に入り、航空券を渡し、飛行機に乗った。そして飛行機が離陸してシートベルトサインが消えたころにインカムに通信が入った。


「よお、ソフト」


インカムから聞こえるのはナビゲーターの声でなかった。


「クラスターか?」


こいつはターゲット1人殺すために数百人を殺すような男、ゆえにクラスターと呼ばれている。


「何の用だ?」


俺は正直こいつが嫌いだ。なるべく話したくないんだが。


「お前に話しておきたいことがあってな」


「早く言え」


「アルフレッド・カーソンを知っているな?」


アルフレッド・カーソン・・・アメリカの富豪だ。宝石商と聞いているがあまりいい噂は聞かないな。


「ああ。実業家で今年長者番付に入ると言われている男だろ」


「だが、やつの実業は地元住民から無理やり土地を取り上げ強制労働させて発掘させるような男だよ」


組織が調べたということか。


「お前のターゲットか?」


「そうだ」


なぜ?こんな話を俺にする?・・・!まさか。


「この飛行機に乗っているのか?」


クラスターは大声で笑った後


「さっすがソフト。その通りだよ」


こいつならこの飛行機ごとターゲットを始末するだろう。俺は立ち上がった。爆弾を見つけ解除する。クラスターの癖は知っているからどこに仕掛けてあるかは検討がつく。


「無駄だ。あと一分で爆発する」


一分・・・それでは爆弾を解除するどころかたどり着くのも無理だ。


「なぜ、お前がいるのをわかってこんなことしたか教えてやろうか?俺はお前が嫌いだからだ」


「・・・」


俺が日本人なのをこいつはずっと馬鹿にしてがここまでするとは・・・


「軟弱なてめぇが組織にいることに虫唾が走る。なのに他の連中はお前に甘い。俺は嫉妬したね~。だからターゲットと一緒にお前を殺すことにした」


「組織にはどう弁明するつもりだ?」


組織のメンバー同士の殺しは固く禁じられている。これがバレたらこいつだってただではすまない。


「ああ、それは俺のターゲットにいる飛行機を爆破したら、たまたまお前がいたことにするよ」


こいつの用意する爆弾は遺留品を手の大きさ以下にしか残さないほどの威力だ。しかも俺は今変装をして顔も違うし名前も偽装だ。クラスターの言い分が通る可能性がある。止めるのは無理か。


「・・・クズが・・・」


俺に出来るのは悪口を言うことくらいだった。


「はっはっ~いい声だ。もう会えないと思うと寂しいよ。じゃあね」


その言葉を聞いたあと俺は意識を失った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ