残夢
●多種多様な楽曲を楽しめるが、アルバムとしてのまとまりを欠いてしまった印象も。
【収録曲】
1.抜け空
2.行方知れず
3.DIGNITY
4.ショコラカタブラ
5.クラクラ
6.アタシは問題作
7.リベリオン
8.オールナイトレディオ
9.向日葵
10.永遠のあくる日
11.MIRROR
12.ルル
13.唱
14.いばら
15.Value
16.0
オリジナル作としては約2年半振りとなるAdoのアルバム。椎名林檎やB’zといったベテランからの提供曲もいくつかあるのですが、全体的に見ると、ネット系の若手ミュージシャンが手掛けたものが中心といったところ。そういう意味では『狂言』に近いのですが、それと比べて洗練された感じで、『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』に近いとも言えます(『アタシは問題作』や『ルル』のように、チープなサウンドが目立つものが無いわけではありませんが)。
曲調に関しては、ロックバラードの『DIGNITY』に、賑やかで楽しげに聴かせる『クラクラ』、気だるげで都会的な『MIRROR』に、トラップのリズムに早口のボーカルを乗せた『0』……等と、これまで以上に「多種多様」という言葉が似合う雰囲気で、楽しんで聴くことができたものの、それゆえにアルバムとしてのまとまりを欠いてしまった印象も。良くも悪くも、今時の「プレイリスト」らしい作品といったところでしょうか。個人的には、『行方知れず』や『唱』のようなダークで迫力のある楽曲をもっと聴きたいのですが。
評価:★★★★