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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編

作者: 生豚

初投稿です!

よろしくお願いします

水を買う

私の目の前には自販機がある。水が売っている。100円だ。私は今日一日頑張った。ならば一本くらい買っても構わないだろう。

「ゴトンッ……」

やはり水はうまい。


今日はいつもより大変だった。足が重い、肩が痛い、のども渇いた。

家の近くに置いてあるいつもの自販機が目にとまる。水を買うか、買わないか。そんなことで迷っていた時期もあったが今となっては買わないなんてことはありえない。最近は自販機で100円の水を買うのが日課である。こんな毎日がずっと続いてきた。

 

今日は帰りにスーパーに寄った。水が安いから。38円で売っているのだ。普段の半分以下の値段だ。これは買いたい。ペットボトルを片手にレジに向かう。

 「……」

やはり虚しい。帰ろう。そして帰り道にあるいつもの自販機の前で水を買った。今日も水は美味しい。

 

今日は一日の始まりに水を買ってみた。夜見るのとは違った雰囲気で自販機がある。いつも通り一本100円の水を買って飲む。目覚めの一杯。最高だ。

 

最近は朝に出会う人の数が少なくなってきた。昔は満員電車でガタゴトと揺られて辛いものだったが今では座って職場に行けるのだ。朝の仕事前から立たなくていいというのは大きい。今日はとても軽やかだった。

 

そんなある日のこと、世界人口が3割減少したことが朝のニュースで流れた。どうやら今の人類にとって死や老いというのは絶対のものではなくなって久しいが、終わりの無い生に怯える者が多いのもまた事実のようだ。今日は休みを貰おう。

夜、自販機で水を飲んで寝た。


今日は私の13315回目の誕生日だ。ケーキと紅茶が良く合う。美味しかった。少しだけ思い出を振り返ろう。あまり多く思い出すと辛いから。

子供の頃は楽しかった。どんな場所に行っても活気のある時代だった。同じ時期に生まれた子供たちと遊び、家に帰れば家族がいた。地域の人たちも仲が良かった。旅行に行ったり美味しいご飯を食べたりもした…

死ぬのが怖い私はあまりにも長く生きてしまった。

ドクダミと共に

 彼らは一度根付くとその先何十年もの間生え続ける。今日、いつも使う自販機の脇にドクダミが生えているのを見つけた。なんというか、同じ自販機を使うものとして親近感を感じた。これから永い付き合いになるだろう。

 この自販機は何百年も前からここにあった。そして今日からはドクダミも一緒にこの場所で生きていくのだ。

 今日は少しだけ早めに帰ることにした。ドクダミを明るいうちにドクダミを見ておきたいからだ。…~ドクダミはしっかりと残っていた。とりあえず今は水を買って帰ろう。


 最近はドクダミの観察にはまっている。ドクダミは意外とすぐこの場所に慣れたようだ。

思い付いたのだが、このドクダミがもっと育ったらドクダミ茶の材料にしてみるのはどうだろうか。楽しみだ。


 ドクダミと出会って数週間がたった。最近はなかなかに忙しい毎日が続いている。何でも人類の存在の証をこの星に残すことにしたらしい。これからも頑張ろうj。

 

久しぶりに水を飲もうと思う。ドクダミに夢中で水を買うことをすっかり忘れていた。水を飲む。しかしここ数週間何も食べていなかったせいか、水が気管支に入ってしまった。



彼は死んだ。ドクダミや自販機の横で彼は少量の水に溺れたようだ。


稚拙ですがここまで来てくださりありがとうございました。 感想や意見を頂けると嬉しいです。

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