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トカゲの棲む洞窟

「夏場だったら涼しいのかな?」

「そうだな。夏の終わりくらいに来た時には外よりは涼しいくらいに感じたものだ」

「サヤちゃんに言ったのに」

「アイシャちゃん、もう少し構ってあげなよ」

「そうだぞ、数少ない男のファンなのに」

「そんなのはいらないよー」


 結局アイシャの投げについては、相手との体格差や前のめりな気持ち悪いロリコンの体勢を利用しているとの説明でうやむやになり、クレールを加えた4人で街を横断し東門より洞窟へとたどり着いた一行。


「フレッチャちゃんはナイフも使えるんだね」

「ダガーかな。マケリさんと被りそうだけど、まだまだあの域にはいけないよ」

「弓術士は接近されたら弓では対処出来なくなるからだって」

「お前たち、ここが比較的安全とはいえ魔物は出るんだもう少し気を──」

「クレール先輩がいるからつい」

「まかせろ! 危険は俺が全て排除する」

「ヨシッ!」


 若手のホープはアイシャに頼られれば喜んで火中の栗ですら拾いに行くことだろう。


「ここでは岩トカゲが出る。天井まで全てが奴らのテリトリーだ。俺がついているとはいえ油断はするなよ」


 高さは3メートルほどであろうか。たまにコウモリなどがいてアイシャたちをビビらせるが、横幅は8メートルほどはあってサヤが大袈裟に跳びはねてもお互いにぶつかりはしない。




 慣れているクレールが先頭を行き、次いでサヤ。その後ろに横並びのアイシャとフレッチャ。サヤはクレールからアイシャを守り、魔物からアイシャを守るつもりである。


「ねえ、私がここにいる意味って」

「アイシャちゃん、私はアイシャちゃんが居てくれると頑張れるんだよ」


 サヤがそう言うがアイシャとしてはこんなところではまずお昼寝は出来ないだろうなと憂鬱だ。


「アイシャは俺が守る」

「わあーい、たのもしいなあ」




「まさかのノーヒットだね、先輩」

「いや、この辺りまではこういう日もある。昨日も間引きに来たばかりではあるからな」

「間引く?」


 女子2人に挟まれて休憩するアイシャが聞き返す。


「洞窟なんかは深くて広かったりするだろ。それで出口がひとつしかないなんてなれば、自然と外に出てくる。一箇所から。そうなった時には洞窟内は魔物で溢れているかもしれない。だから俺たちはそんな事になる前に数を減らすんだ」

「なるほど。先輩たちが頑張った成果なんだね」

「そういうことだ。どうだアイシャおれと──」

「魔物に会いたいのにいらんことした、と」

「ノオオオオっ!」


 仕事頑張ってる俺アピールで玉砕する理不尽。


「アイシャちゃん、お仕事でしてるのにそれはひどい……」

「サヤちゃんは優しいね。どう? 私の代わりに受け取ってもらっていいんだよ」


 頭を抱えて泣き笑うクレールは見る人が見ればチャンスなのかも知れないがサヤにとってはどうでもいい。


「魔物、いないね」

「でしょ?」



この先アイシャがちゃんと?活躍しますよ。


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