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森のふたり

「いてて……フェルパちゃん、無事?」

「はぃ。なんとか、ですね」


 木の幹に激突した瞬間はフェルパを抱えたアイシャが背中に衝撃を受けたもののフェルパに直接のダメージはない。


 そのあとに枝に引っかかりながら落ちた事でフェルパの服は大変な事になっているが、地面に落ちる前にボートを膨らませておいたことで大怪我などはない。


「それよりアイシャちゃん、さっきの」


 ベッドがあの勢いで幹に激突した衝撃をアイシャの背中で受けている。当然にそのダメージは背骨くらいどうにかしてしまいそうなのだが。


「とっさにあの鳥の残りを出したからなんとか、ね」


 ベッドの残骸とともに木に引っ掛かっているのは、焼き鳥にするには大きすぎてずいぶんと残っていたコカトリスの生肉だ。


 羽根は素材として全部抜かれているが大きな肉はクッションとして最適だった。しかし生肉を木とサンドイッチしたのだから。


「アイシャちゃん、大変! 背中が! 真っ赤!」




「アイシャちゃん、本当にクラフトに来ない?」


 ひとしきり慌てたフェルパの前で服を脱いでその背中に怪我のないことを見せたアイシャは銀ぎつね着ぐるみパジャマに着替えており、今はフェルパの着替えのためにフェルパ用の銀ぎつね着ぐるみパジャマを作っている。


「うさぎが作れたらよかったんだけど、これしかないから」


 着ぐるみパジャマはその素材によって見た目を変えられるが、この森で安全を求めるなら物理魔術とも耐性の高い銀狐しかない。いつかサヤにふたりだけのものと告げた約束は致し方なく反故にされた。


「ううん。これでアイシャちゃんとお揃いだね」


 フェルパの服はあちこち破れていてなんだか加害者と被害者みたいな絵面ではあるが、着ぐるみパジャマを抱いて満面の笑みのフェルパは可愛くてアイシャもこんな時なのに優しい気持ちになれた。


「じゃあ着替えたいから……」

「うん、あっち向いてるね」

「え? そうじゃなくって、もうこれ脱げるか分からないから手伝ってくれないかなって?」

「(何をですか⁉︎)」

「いや、心の声になってないよ。アイシャちゃんならそんな必要もないけど。これ、こう……引っかかるから」


 曲げた肘も膝もどこもかしこも破れた穴に引っかかって脱げないフェルパ。


「そ、そういう事なら」

「優しくしてね?」

「ちょ。どういう意味」

「無理矢理されると痛いから」

「どういう意味」

「あっ、そこは」

「もう、いくよ!」

「ああっ、だめー」


 きっとマイム辺りから良くない影響を受けたフェルパのちょっとドキドキなお着替えはアイシャの中の『彼女』を盛大に喜ばせた。



乱暴はしてません。お着替えさせただけです。

そういえばフェルパの描写が少なかったですね。三つ編みでアイシャより小さいだけでしたかね?

また見直して付け足しますかね。


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