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弾けろ!“アーリン”!

「おじゃましまーす」

「はいはーい」

「お母さん、今日はアイシャちゃんが私のお部屋に泊まるからね!」

「あらあらまあまあ」




 クレールから逃げる必要の無くなったアイシャは歩いて門のところに来たわけだが、そうするとこれまではダッシュでサヤに会いに来ていたのが無くなってしまい、待ち合わせたサヤの表情は心なしか暗かった。


 だがそれも「今日は楽しみ」だとか「洗いっこしようね」とか話しているうちにみるみる機嫌が良くなってむしろその赤い顔はサヤのご機嫌メーターが振り切ってしまったのかも知れない。




 前回のお泊まり同様にこの家の親父は放り出されて、アイシャとサヤのキャッキャウフフなお風呂タイムがやってきた。こちらは前回と違って最初からお互い同意している分、気にせずに楽しんだものだ。


 さんざん揉みしだいて成長しただとか、引き締まっただとかのじゃれ合いは、むしろ前回よりも長風呂となってしまっていた。


 部屋に入り鍵を掛けた2人は、カモフラージュのパジャマを脱ぎ捨て一糸まとわぬ姿になってから直に着ぐるみパジャマを着る。これも前回サヤが見つけたこの着ぐるみパジャマの楽しみ方だ。




 そのお楽しみの前に今回は別の用事がある。


「アイシャちゃん、なにそれ」


 アイシャは手のひらに例のアミュレットを取り出した。細いチェーンがついただけの、桃色のクリスタルは曇りひとつない綺麗な雫の形をしている。


「うーん、お昼寝士の技能?」

「へえ〜」


 本当は分からない。あの声からの贈り物だとすれば別なのだろうが、前世からのそれを説明するのは実際無理なのでアイシャはそういうことにしておいた。


「それは今度はなんなの?」


 サヤの質問はごもっともで、アイシャもそれを知りたいのだ。


「なんでもサヤちゃんと2人きりのここでやるべきみたいで」

「そんな技能もあるんだね」


 そう、なぜ指定されているのかは分からない。幼馴染とかそうでなくとも、ひとりではなく誰かとやるものなのかも知れない。


「えっとなんだっけ……忘れた」

「ええ? 何を忘れたの?」

「いやー、合言葉があったはずなんだけど……ア、アー」

「思い出して! アイシャちゃん!」


 うんうん唸って思い出そうとするアイシャ。頑張ってと励ますサヤ。2人はベッドの上で向かい合って座りなぜか正座だ。


「あっ、思い出した!」

「ほんと? じゃあ言ってみよー!」

「うん、“アーリン”っ!」


 途端、スパーンっと音とともにアイシャの着ている服が弾けて部屋に散乱してしまった。風船が割れるように、舞い上がる生地が煌めく。


 パジャマを着たサヤの目の前にひとり全裸で正座するアイシャ。


「なにその大胆な技能。私以外の人といる時に使っちゃダメだからね?」


 そう言ってアイシャの裸体を隠すように抱きつくサヤ。


 きっとあの声の主はこの光景に笑い転げているんだろうなと思い、アイシャは恥ずかしいやら腹が立つやらで両手で顔を覆ってしまった。


 楽しそうなのはそんなアイシャにしがみついてドサクサに紛れてあちらこちらをまさぐっているサヤだけだった。


このどうでもいいふざけたネタをやりたかっただけの回です……。


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