チームメンバーのステータス
「まったく──これじゃあ寄り合い馬車じゃねえか」
「女の子に囲まれて嬉しいでしょ?」
「クレールと交代してこようか?」
「ごめん、調子乗った」
アイシャたちは馬車3台でエルフたちの住むスィムバの森へと向かっている。
ベイルが愚痴るように御者の他は車内に座っているのだが、本来ならばもう少しゆったり出来るはずが4人追加となって少し狭く感じるほどだ。そのせいでクレールは別の馬車へと移されている。
「ロリコンは向こう」
アイシャのひと言で容赦なしの移動だ。
「ところでこの6人でパーティ組むっていうのは本当なの?」
話を聞いたマケリが面白い物でも見るように聞いてくる。
「そうらしいですよ。私は戦えないのにね」
「アイシャちゃんはカチュワが守るのです」
カチュワはアイシャが戦えない訳ではないと分かっていて、それでも不利になるような事は言わない。アイシャのお昼寝愛は周囲からも聞かされている。
「その──カチュワちゃん? だっけ。あなた剣を握る気はない?」
「カチュワが、なのです?」
「そう。子どもに盾が人気なくてみんな剣に走るのは知ってるわ。私の頃もそうだったもの。でもね、盾使いは実戦では大事なのよ」
「そうなのです?」
「ええ。みんなを守る1人がいると安心できるもの。それにきっとステータスも力寄りでしょ?誰かを守るのって1人だけ生き残るより断然難しいからね。その分上がりやすいらしいわ。もちろん実直に盾の訓練を続けた子だけ、の話よ。そんなあなたが剣を持てばこのパーティはより安定するわよ」
「確かにカチュワちゃんは唯一力がBだもんね」
力 体力 器用 俊敏 知力 精神
E──E──E──E──E──E アイシャ
C──C──D──D──C──D サヤ
C──D──C──D──D──D フレッチャ
D──D──C──D──D──D フェルパ
D──D──C──D──B──B マイム
B──B──C──C──D──C カチュワ
「こうして並べてみるとカチュワちゃんとマイムちゃんが頭ひとつ抜きん出てる感じだね」
「サヤと私は今ひとつ、なのかな」
「フェルパちゃんはともかくアイシャちゃんはもうどうなってるの」
「私が聞きたいよ、ほんと」