【番外編】それぞれの成長
先日の岩大トカゲと出会ったグルウェルの洞窟は再調査の必要ありとして今は立ち入り禁止となっている。
そのためアイシャたちは近くの狩場を失い自分たちだけでは魔物狩りを出来なくなった。
アイシャもいつもやっている森での鍛錬が出来なくなってしまい退屈しているかと思えば、そもそもこの子はお昼寝が出来ればそれで良いという子なのでむしろ問題はなかった。
「アイシャちゃん、おはよう」
休みともなれば朝と昼の境目もないアイシャのエンドレスお休みに母親の許しを得てサヤが部屋にやってきた。
「おはよう。どうしたの?」
「暇だしみんなで集まって訓練でもしないかなって」
「そこに私も?」
「アイシャちゃんも仲間だし、それに……私はアイシャちゃんに来て欲しいなって」
急にモジモジしだしてそんな事を言われたらアイシャはもう断れない。幼馴染のサヤにメロメロとかではなく、一度この状態のサヤのお願いを断った時にこの世の終わりのような顔をされて以来アイシャはよほど無理なことでなければ聞くようにしている。
聖堂教育施設は長期休みなどは解放されていない。アイシャたちはベイルに頼んでギルドの訓練施設を借りて、そこで皆が訓練する姿をアイシャは枕を抱いて眺めている。
萌黄色の髪を以前はショートにしていたサヤだが、いつからかまた伸ばして後ろで2つに縛っている。
アイシャと変わらない150cmの身長で剣を振る動きは、ずっと繰り返して来たのだろう成果を感じさせ、そのBの揺れは今のところアイシャが目指すところでもある。
藍色の髪をポニーテールにしたフレッチャが弓を引くその動作がアイシャは好きだ。165cmとアイシャよりだいぶ高い彼女はすらっとしていて、弓を引くときの弓以上に綺麗な姿勢は、まさにDの輝き。解き放った時の震えがたまらない。
フェルパも隣で一緒に眺めているがアイシャに近いベージュの三つ編みは前髪を眉より少し下に来るあたりで切り揃えられていて時折はっきりと見える眉も細くて綺麗だ。アイシャを裏切らないAのシルエットとまだ145cmの低身長は心に平穏をもたらす。
魔術禁止だと言われても来たマイムは癖のある紫色の髪をツインテールにしていて、白に赤の縁取りのローブが可愛い。サヤの真似事を杖でやって邪魔してるのかと思う揺れは、ローブの上からでも分かるDだとか。アイシャと同じ150cmなのにと嫉妬を抱かせもするが、たしかにやわこくて良かったなあと振り返る。
構えた盾をたまにサヤに打ちつけてもらっているカチュワは珍しい黒色の艶のある髪の毛を上げてまとめてあり、うなじが綺麗で大きなメガネまでしている。フェルパと変わらないくらいの身長の持ち主でそれでもCはあるだろうそれをアイシャは羨ましく見ている。
「アイシャちゃん、どうだったかな?」
「みんなそれぞれに最高だったよ!」
どうせお昼寝でもするだろうというみんなの予想に反し、ずっと起きていてみんなをちゃんとしっかり見ていたアイシャの満面の笑みからでた言葉は彼女らも笑顔にさせた。
くいくいっとアイシャの袖を引っ張るフェルパ。
「うん?」
こういう仕草も可愛いんだよなあなんて思うアイシャ。
「アイシャちゃんはフェルパと同じくらいだけどそれも最高だょ」
隣でアイシャの事を見ていたフェルパにはその視線が追う対象がバレていたようだ。
「わたしならいつでもいいからね?」
「何がですか⁉︎」
こういう時敬語になってしまうアイシャの癖を知ってフェルパはまたひとつアイシャが好きになった。
いつも読んで頂きありがとうございます!
1話あたり1000文字とちょっと(だと思いたい)のこの物語もここで102話となりまして──感想やレビューなどのおねだりをしたいなと思った次第です。
数字としては自動で積み上がっていくもののそういったものを頂けると嬉しいなと欲張ってみました。
なのでもしよろしければ投稿してくださると嬉しいです。
では引き続き「お昼寝士アイシャ」をよろしくお願いします!