仕事のできる男ジョー
わたくしは無事に家まで送り返された。
あのマッドサイエンティストの男が手をふりふり全く引き留める様子もなく見送ったのだ。
ジョーは手早く拘束とわたくしの手足の縄を解くと、わたくしの麻痺した体をふわりと横抱きにして颯爽と出ていく。
迷路のように扉の先に扉があるも、迷うことなくおそらく最短距離で進んでいく。
外に出るとそこは別荘のような建物で、周りは雑木林だった。
そして太陽はまだ真上ではない。
攫われてからおよそ一時間ほどだろうか。
迅速丁寧、仕事のできる男ジョー、今日から足を向けて眠れそうにありませんわ。
せっかくなので、登校したほうがいいのではと思ったが、ジョーはとにかく家に連絡させたいようだ。
「では、また」
ジョーはマリグレット侯爵家の外門の前で門番に連絡し、わたくしを執事に託すと、学園に戻って行った。
あああ、好き!
………
その後わたくしは自室のベッドで寝込むことになった。
時間差で、様々な副作用が現れたのだ。
悪寒に嘔吐、頭痛に、腹下し、発熱……明らかにあのレモンティーが原因だ。
主治医があわてて駆けつけて症状を和らげるための薬草を煎じられる。
何が仕込まれたのかわからないが毒を盛られているのは確かなようだ。
わたくしは原因不明の苦しみの中、怪しい男からの飲み物には絶対に手を付けないと誓ったのだった。




