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第七話  魔王城に着きました

ここ?ここどこだ?

僕はどこに連れてこられたんだ?

騙された…のかな?

そんなはずない。


「アイリさん、ここですか?」

「ここです。見覚えありませんか?」

「無いです。間違いじゃないですか?ここじゃないですよ。」

「いいえ。ここであっています。ここが魔王城。正確には跡地ですが。」

「跡地?」

「そうです。通称、魔王城と呼ばれたものはここにありました。」

「過去形ですね。」

「過去形です。もうありませんから。」

「でもおかしいじゃないですか、影も形もないなんて。」

「いい所に気が付きました。」

「何も無いだけですケド。」

「何もないわけではありません。よく周りを見てください。」

「まぁ、残骸ですよね。」

「なんの残骸に見えますか?」

「建物があったであろう、残骸ですかね。」

「だいたい正解です。」

「だいたい?」

「大昔、ここにお城がありました。」

「そんな感じしませんけど。」

「小さなお城だと聞いています。」

「面影も無いですね。」

「誰かに悪用されないように粉々にしたそうです。」

「誰がそんな面倒なことしたんですか?」

「あなたの先輩たちです。」

「僕の?先輩って…」

「軍の人たちです。」

「軍が?なんでまたそんな事。」

「悪用されるのを防ぐためです。」

「悪用って誰がですか?」

「表向きは野党や盗賊です。」

「表向きですか?」

「実際こんな国境付近に城があったら困るでしょう?」

「まぁ、行商の人たちが頻繁に狙われるでしょうから。」

「それだけではないんですが。」

「まだあるんですか。」

「それをこれから説明します。」

「魔王城は見当たりませんが。」

「魔王城の前にこっちです。」


そういうとアイリさんは歩き出した


「アイリさん待ってください。」

「ここです。」

「ここって何も無いですが…」


そうするアイリさんが無言で前の岩山を指さした。


「ここですか?…これって?」

「隠し扉です。」

「開けますか?」

「その前に、今一度確認します。」

「はい。」

「本当に開けてしまっていいですか?」

「はい?」

「ここを開けてしまえば後戻りできません。」

「ここまで連れてきたのアイリさんですよ?」

「ですから確認しています。」

「ここまで来たら開けますよ。」

「世の中には知らなくていいこともあります。」

「どうしたんですか?突然。」

「知ってしまったら後悔するかもしれません。」

「ここでやめたら気になって眠れません。」

「不幸になるかもしれませんよ。」

「アイリさんはこの中に何があるか知ってるんですか?」

「知っています。」

「なのに止めるんですか?」

「止めてません。確認です。」

「では、僕の回答は開ける、です。」

「警告はしましたよ。」

「心配してくれてるんですね。」

「心配してるわけじゃありません。確認です。」

「ここまで来たら僕は知りたいんです。多分ですけど…」

「たぶん?」

「色んなことに繋がってる気がするんです。」

「カン、ですか?」

「そんなとこです。」

「絶対、後悔します。」

「しませんて。」

「私が、後悔するんです。」

「大丈夫です。後悔させません。」

「はぁ。」

「開けます。」


僕は隠し扉に手をかけた

この先にある真実を求めて


次が会心の出来になっています。

久々に自分でも笑える内容です。

次を読まれる方、ぜひお楽しみください。

出来るだけ早く仕上げます

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