第二話 軍の宿舎にお呼ばれしました
「ギルバートさーん。」
「アレン、来たか、待ってたよ。」
「呼ばれたので来ました」
「ちょうどみんな来たとこだ。」
「みんな?」
「ああ。みんな来てるよ。」
「みんなって誰ですか?」
「みんなはみんなさ。」
なんかはぐらかされた感じがする。
答えたくないみたいにギルバートさんは中に入っていった。
なんとなく納得できないまま僕も入っていった。
「皆さん。お久しぶりです」
「な?みんな来てるだろ?」
「そうですけど・・・」
ギルバートさんの家には、と言っても軍の宿舎だけど。
この前の作戦で偶然一緒に行動した人が数名いた。
でも作戦上たまたま行動を共にしただけで個人的な面識はない。
しかもここにいるのは・・・
「ちょっと戸惑うメンバーだけど面識はあるだろ?」
「そうですけど・・・」
そういうと侍の結構年配?の男性が握手を求めてきた
「元気そうで何よりだ、アレン君だね。」
「そうですけど・・・」
そういって僕は侍と握手を交わした。
そうすると神父さんが椅子を進めてくれた。
椅子に座ると奥から二人がやってきた
「お?来てるね。」
そういって入って来たのは確か名前は・・・
「ケイトだ。旅人さ。」
そうそうそして、もう一人は・・
「皆さんお茶が入りました。巫女のアイリです。アレンさん。」
そう!確か、そんな名前だった。
そもそもこれは何の集まりなん・・・
「そもそも諸君らに集まってもらったのは他でもない。」
ギルバートさん、なんか仰々しいな
「予定通りに来ただけだがな。」
侍の言葉が妙に気になった。
「そう、今のところ予定通り順調だ。そこでアレン。」
「はい?」
「やってもらいたいことがある。」
「はい?」
「君の出番だ。」
「なんのはなしですか?」
「君に来てもらったのは他でもない・」
「だから何の話ですか?」
「君にしか出来ないことだ。」
「だから、何の話ですか?」
「気になるかね?」
「・・・普通気になりますよね?」
「そうか?」
「話す気ありますか?ギルバートさん。」
「まだ早いな。」
「何がまだ早いんですか?」
「アレン!」
「はい」
「君が自分で調べるんだ。」
「何をですか?」
「さっき言っただろ?」
「何をですか?」
「君が知るべきことを。」
「何をですか?」
「今回の戦の理由さ。」
「知る必要、あるんですか?」
「あるさ、大いにある。」
「どうして僕が知らなきゃいけないんですか?」
「それを知りに行くのさ。」
「どこにですか?」
「町さ。」
「どこのですか?」
「まずは、ここエルドラさ。」
「ここ?・・・ですか?」
「そう。ここエルドラからだ。」
「まずはって、他にもどこか行くんですか?」
「それは君次第だ。」
「どういうことですか?」
「町に出て全ての真実が掴めれば他に行くことはないだろう?」
「掴めなかったら・・・?」
「他の所にも行かないとならないな。」
「どうしても行かなきゃダメですか?」
「お母さんに言われたろ?」
「・・・知ってたんですか。」
「いや、頼まれたんだ。」
「だれにですか?」
「君のお母さんに決まってるだろ。」
「どうしてギルバートさんに頼んだんですか?」
「それもおいおい分かるさ。」
「そもそもどうしてギルバートさんは母さんを知ってるんですか?」
「それもおいおい分かるさ。」
「またそれですか?」
「物事には順序があるのさ。」
「じゃあ何からすればいいんですか?」
「まずは・・」
「まずは?」
「町を・・・」
「町を?」
「歩いてみることだな。」
「歩く・・・?」
「そう、歩くんだ」
「歩く?」
「そう。」
「歩いてどうするんですか?」
「話を聞くのさ」
「誰からですか?」
「町の人からさ。」
「それから?」
「まずはそれだけさ。」
「それだけですか?」
「それだけだ。」
「その後はどうするんですか?」
「戻ってくるんだ。」
「ここにですか?」
「ここにだ。」
「ていうことは、その後のことは戻ってきてからってわけですね?」
「そのとうり。分かってきたじゃないか。」
「そりゃぁこんだけあれば分かりますよ。」
「結構だ。では町の様子を見てきてくれ。」
「…分かりました。」
「町を少し歩いたら戻ってきなさい。」
「…じゃ、行ってきます。」
「気を付けてな。」
僕は町へ出てみた
そうしたら、
つづく