第壱話
引っ越しをしてから、数日が経ったある日
「大体終わったし、そろそろ挨拶しに行こうかな?」
そう考えて外に出たときだった。大柄な男の人? がこちらに向かって来る。
このアパートの住人だろうか? ただ……
「頭に何かかぶってる?! あっ……取り乱してすいません。ぼくは、扶桑幸太です。ここに引っ越して来た大家です。よろしくお願いします。」
丁寧に挨拶するとその人は黙礼して、名乗ってくれました。
「静丘角三。よろしく。」
その直後、背後で声がしました。
「おじちゃん! 遊ぼー‼」
声のした方を向くと8歳くらいの小さな男の子がいました。その子は静丘さんに駆け寄って、
「ねぇ。遊ぼうよ! 今日、お仕事終わったんでしょー? …………あのお兄ちゃん、誰?」
「あっ……えっと……」
言葉に詰まっていると静丘さんが説明してくれました。
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男の子の名前は記之家つよし《きのいえつよし》だそうです。
「そうだ! お兄ちゃん、僕の家で遊ぼうよ!」
「えっ……そんないきなり……」
「早く行こうよ! すぐそこだから!」
と、つよし君に手を引かれて来たのは隣の部屋の前でした。
ちょくちょく出します。よろしくお願いします。