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あなたにとってのあの子とわたし  作者: 松松ぼっくり
1/1

思い出だけでは辛い

嫌いになれたら楽になれますか?あなたのように他の人を好きになったら楽になれますか?



朝目覚めると耳鳴りがした。

何?ベッドに座って目をつぶる。最近はちょっとしたからだの不調でこんな風になる。心が悲鳴を上げてるのだろう。

大きく息を吸い込んで吐く2.3回繰り返して立ち上がると丁度ドアが開いた。

「いつまで休んでるんだ。エマが湯浴みをしたいと言っている」

背の高いあの人が威圧的に命令する。「朝食はとれたての果物と野菜のサラダそれからミートパイが食べたいと言ってる」

ミートパイ?朝から仕込むには時間がかかる。果物だって野菜だって市場にいかないと手にはいらない。

「文句があるのか?お前なんかを妻と名乗らせてやってるんだからそれぐらいきちんとしろ」彼は要件をいうとさっさとドアを閉めていってしまった。

耳鳴りが止まない。けれど涙はとうに出ない。のろのろと起き上がると着なれた下女の服を纏い市場へ急ぐ。

オレンジとリンゴそれから日持ちのする乾燥した果物を購入し根菜を中心とした野菜 そして彼女の好きな葉もの野菜も籠にいれる。重い籠を持ち運びながら考える いつからこんな関係になったのだろう?

デュランはリアにとって小さいときからの許嫁だった。

昔はいつも笑顔を向けてくれたし会うたびお土産も渡してくれた。将来のことも語り合ったしあまり口にはしてくれなかったけど好意も寄せて貰ってた気がする。

あの日 あんなことが起きなければ二人はずーっと一緒だったかもしれない。

まだ14歳だった私はどーしてもデュランに会いたくて当日練習してうまく焼けたお菓子を届けるべく彼の屋敷に行った。

ふと驚かせようと庭を抜けると彼の兄アベルと会った。いつもと違いちょっと酔ってるようだった。私と目が合うと挨拶より先に手を捕まれた そのまま押し倒されると服を破かれおもわず叫んだ。泣きながら手足をばたつかせて抵抗するも大人の男の重さに自由にならずひたすら助けを待った、そこに現れたのは母親の伯爵婦人だった。金切り声をあげると夫である伯爵も現れ騒ぎとなった。

ボロボロの私を前にアベルは言った「お前は俺と結婚するしかなくなったな」この状態で私が何を語ろうと誰もわかってくれなかった。「デュランだけでなくアベルもなんて」伯爵婦人は汚らわしいものをみる目で私を蔑んだ。庭にまわって二人きりになったことがそんな結果になるなんて私はただただよくわからない状況で必死になってる小娘だった。

デュランとは婚約を解消され新たに好きでもないアベルとの婚約。両親はこちらが被害者なのにこんな娘を娶って貰えるだけでもと持参金を上乗せして16になり次第結婚をさせるつもりだ。

家の格でいえばこちらは下の子爵であるし仕方がないのかもしれないがその当時の私は皆に裏切られた気分だった。

見切り発車のためにうまくまとまるまで間が空くかもしれません。気長に読んでもらえたらと思います。

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