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傘の音、雨の音、少しちらつく街の灯りをずっと見ていた。
私はそっとぽっけの中に入っている携帯に目をやる。
ここに来たときは、朝の10時くらいだったけど今はもう11時30分になる。
結構いたんだなぁ。とは思うけど、これもいつものことで。
ここに来ると大体時間を忘れて一人ぼーっとしていることが多い。
「そろそろ、帰ろうかなー。」
少し、この場所から離れ難いけど今日は雨も強いから帰ろうと思い、立ち上がろうとしたら後ろから晴希の声がした。
「なんでいるの。」
ベンチに座っている私に気づいた晴希が私に問いかける。
「今は授業中ではないのですか?女子高生。」
「今日は入学式だから、私たちは休みなの。」
「あー、そうなんだ。てっきりずるの方かと。」
そういいながら私の隣に座ろうとしてくる晴希の足に一蹴り入れる。
「痛。」
「一体私はあなたから見て、どんな人に見えているのよ。」
ごめんごめん。とニコニコしながら私の隣に座る。
晴希も、少し冷たそうにしたけど、すぐに何ともないいつもの晴希の顔に戻った。
「今日、すごい雨だね。」
「ねー、でも私は雨好きだからうれしい。」
「雨好きなんだ。」
そういいながら、晴希は自分のさしていた傘を閉じた。
何をやっているんだろう。と思いながら見ていると、晴希は私に向かって指をちょいちょい。としてきた。
「なに?」
私が不思議そうに聞くと、晴希は何ともない顔で言う。
「傘かしてよ、二人で入ろう。」
「え、なんで。」
思いがけないことを言ってくる晴希に少しびっくりして距離をとる。
「逃げないでよ、濡れるでしょ。この方が話しやすいべ?」
そういうと晴希は私の傘を半ば強引に奪って、入ってくる。
ていうか、べ?ってどこの方言だよ。
私がそんなことを考えていると晴希はどんどん距離を詰めてきて、なぜか腕が当たりそうな距離までになる。
「近いんですけど。」
「少し我慢してくださいよ。」
私が嫌そうに言うと、晴希は苦笑いしながらそう返してくる。
いやいやいや、まって?昨日会った人だよねこの人。
1日でこんなに距離近いってどうなの...?
「俺たちまだ出会って1日なのに、めっちゃ仲良し。」
少し得意げに、まるで私の心を見透かすかのようなことを言ってくる。
そんな変態の顔をちらっと見ると、そこにはさっきの発言と似合わない、すごくきれいな顔立ちが見えた。
「...なに?俺の顔になんかついてる?」
こっちをみる晴希に私は、少女漫画みたいに慌てて恥ずかしがる。ということはせずに落ち着いて話す。
「晴希って、言動は私以下なのに雰囲気とか、仕草とかは大人びてるよね。」
私は何も表情を変えずに、晴希にそう言うと晴希は顔を少し赤らめてそむけた。
「なんで、なんでそんなこと言うんですか。ていうか俺は、あなたより大人です。」
「うん、知ってる。でもさ、晴希と話してると大人って感じしないんだよね。」
「...それ、褒めてる?」
「うん、褒めてる。」
「そっか。ならいいや。」
晴希は優しくて、一緒にいて落ち着くけど。
たまに感じる孤独感と、晴希の目に見える寂しそうな顔はなんだろう。
それと、ずっと感じていた。
晴希はそんなつもりないんだろうけど、空気的な意味で、晴希と私にはどこか距離感を感じている。




