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あなたの隣

作者: 藤井由花

あなたには心から愛する人がいますか?

あなたの隣で笑えることが私の幸せ

でも、私があなたの隣で笑っていることは

あなたにとっての幸せですか?

それとも不幸ですか?


私が愛した人は

決して私を愛してはくれない人だった

彼には心から愛し、大切にしている人がいる


でも彼は、その人ではなく私に弱味を見せる

大事な人に心配をかけたくないから

代わりに私を利用する


そんな彼を、あなたを私は愛してしまった


あなたが私を信用してくれてるのが嬉しい

頼ってくれるのが嬉しい

けれど、所詮 私はあの子の代わり

一番にはなれない、愛してはもらえない


ちゃんとわかっているのに


私があなたの幸せを壊さないことを

あなたは知っている

それを知っていて、ぬくもりを与えた

ぬくもりを知らないままでいることで

孤独を、死を受け入れ、望んですらいた私に

あなたのせいで私は弱くなってしまった


残酷で、醜悪で、どうしようもなく愛しい人


私は私を大事にできないから

自分なんかより誰かの幸せを願うから

だから、あなたは私を利用する

私は何も言わずにただそれを受け入れる


あの子から奪ってしまいたい

そう思わないわけじゃない

けれど、私は何もしない

彼の幸せを心から願うから


都合のいい女でいい

あなたが私を必要としてくれるなら

愛してくれなくていい

あなたが私の名を呼び

抱き締めてくれるなら


あなたはいつか、私を捨てる

それがわかっていても

私はあなたを愛してしまったから

あなたのぬくもりを知ってしまったから


だから私はあなたの隣で笑う

あなたが弱味を見せやすいように

甘えやすいように

何でもないようなフリをして

ただ微笑み続けるの


あなたが私を捨てるその日まで

あなたの隣にいるために

あなたにはその愛のために傷つく覚悟はありますか?

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