終わりの構築[5]
「ん?」
製造室に入ると金髪に青い目の黒く汚れた作業着を着た一人の男がいた。
「おはようフォマー。」
「おう、おはよう。」
「おはようございます。」
三人は順番に中に居た男に一声かけていく。
「あ、おふぁおうごふぁいまふ。」
男はホットドックを食べながら返事をする。
「ゴルボフ…。貴方また製造室に食べ物持ち込んで…。ここは物を作る所なのよ?作業場が食べカスで汚れるし、何より食べ物が埃とかで汚れるわよ?」
神崎は額に手を軽く置き、呆れながら言う。
ボルゴフは工具横に置いていた炭酸飲料を、口の中の物と一緒に飲み込み、
「いいだろ別に。いつものやってることなんだし。何より食べる前も後も、しっかり掃除いてるぜ?」
ヒラヒラと片手を振り、 神崎に反論する。
「どうなんだか…」と呟く神崎に、
「そう言う美咲だって、コップ持ってんじゃん。飲み物持ってきてんじゃん。」
ブーブーと口を突き出し、神崎の紙コップを指差す。
「私はここに入る前に飲み干してるわ。」
ゴルボフに空の紙コップの底を見せる。
「え?早くない?」
「え?なんで飲み終わってないんですか?」
男は数分でコーヒーを飲み干した神崎に対し軽く驚き、神崎は男がコーヒーを持ち込んで居ることに軽く驚く。
「そんなに熱くないじゃないですか。何で持ち込んでるんですか…?」
「いやいや神崎くん?コーヒーってのは味や香りを楽しむものだよ?」
「主任コーヒーの味分かんないじゃないですか…。」
男は自分の行為を正当化する為の理由述べたが、あっさりと神崎にあしらわれる。
「はぁ…。先に上に行ってますよ…。」
神崎は諦めて先に計測室に移動を始める。男は悲しそうな顔をする。
それを見えていたのか、ボルゴフが、
「…主任?…食べます?」と小声でホットドックを取り出す。
「…え?…あるの? 食う食う!朝から何も食ってなくってさぁ!」
「なぁフォマー。俺の分もある?」
ショボくれていた男と、若干空気になっていたバートンがボルゴフに近づいていく。が、
『二人ともー』と、神崎に計測室からマイクを通して叱られる。
男とバートンは背中を丸めて計測室に行く為のエレベーターに向かっていった。




