終わりの構築[2]
ロビーに入ると清掃用ロボットが三体。受付に女性スタッフが二人とモニターにガイドが一人。
『おはようございます。本日はどの様なご用件でしょうか?』
受付のモニターの前に立ち、指紋、網膜の認証をし、12桁のパスワードを入力していく。
受付での確認ののち、
『確認完了しました。本日は出勤日では無いようですが、いかがなさいましたか?』
聞こえてくる音声を無視し、研究室に移動していく。
研究室に続く廊下。研究材料、研究機器を運んでいる小型の運搬用ロボットとすれ違っていく。
「あっ!主任っ!おはようございますっ!」
運搬用ロボットとともに機材を運んでいる研究員が男を呼び止める。
「あれ?今日出勤日じゃ無かったんじゃ?」
研究員は機材をロボットにまかせ、男の下に近づく。身長165センチほどで20代の小柄な男性職員。顔立ちも幼く、学生にも見える。
「え?あぁ、ちょっとねぇ…」
「?」
男は男性職員との会話をしようとはせず、言葉を濁らせはぐらかす。
「あ!もしかして、最近研究室で作ってるアレですか?もうすぐ完成するんですか?」
半眼でこちらを覗き、詮索する職員。
それに対し男は少し苛立ち、
「はぁ…。早くソレ、持ってきなよ。量あるんだからさ…。」
「あ!そうだった!すみません、時間取っちゃって。それじゃ、また!」
彼は自分の仕事を思い出し、慌てて機材を運んでいった。
「はぁ…」
男はため息を吐くと同時に廊下を歩き始めた。




