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通貨はなんつうか重要な代物だ!

 鉄がない、金がない、塩がない、商人のあてもない、有り体に言って何もない!

将来的に金を得る方法はいくらでも用意しているが”今この瞬間に金を得る方法がない”

税金取ろうにも金銭価値のないモノばかり、販路がないから売却できない。

明日を生きるために種もみを今喰ってる状態だ。明日より今日なんじゃ!!?

 ていうか利益率悪すぎてくるわけねぇ! 来ても独占取引の要求は絶対来る!! 

しかもこれで商人がわはリスキーな賭けになるのでこれ以外で締結できるわけねェ


作者(サンパイ)、あなたの無能は良~くわかりました。しかしさっさと話を進めていただきたい」

「しかしこの村完全に詰んでるぞ? ピュースの村に突撃かましてマカイ東部領と全面戦争するか?」

「今、不足しているのは財政的、政治的問題を越えれる商人、そんなものを召喚すればいいのです」

「いやそんな都合の良い奴⋯⋯⋯⋯」

「いいから書くんだよこの”ピー”作者!!」


 そんな訳で話を進めるためにご都合主義的キャラを召喚します。



 岸に座礁した船が一隻、そしてその近くに2人組みの男女がいる。

男は寝ている女を起こさないように周囲を油断なく見渡している。


「むっむう。あれ? ここは一体どこ?」

「お嬢様気が付きましたか」

「おお、パーキンス無事だったか! そうだ積み荷は? 積み荷は無事?」

「積み荷は何とか⋯⋯ですが船は座礁してしまって使えそうにありません」



 パーキンスは黒髪で灰色の瞳の青年で、瞳には意志の強さが見え隠れし理知的な輝きをしている。

年頃の女性と青年の2人組、女性は見目麗しい外見をしているが青年には普通の人間と明確に違う点がある。

彼の耳は人間の物でなく兎の長い耳が付いているのだ。


 パーキンスは再び周囲を油断なく見渡し、耳をレーダーの様に細かく動かして周りを確認する。

彼の手には(ボルト)が装填された石弓クロスボウがあり、その指はいつでも撃てる様に引き金に添えられている。


 湖の辺りは白樺の木が鬱蒼うっそうと茂り、周囲に人がいるような気配はない。

しかし危険は先住民だけでない野生の狼に下手をするとクマすら出てくる。


「この辺りはマカイの近くです、この辺りにはまだ開発の手が入ってないと思いますが万一見つかるとまずいことになりますよ」

「魔族ねぇ。レガリア商会は純潔教会の意向に逆らってマカイと商売してるし、彼らとの付き合いもそれなりにあるから教会の言う人間対魔族の対立構図はいまいちしっくりこないな」 

 

 女性の名はシオン・レガリア、年齢は18歳ほどどであろうか。

マカイを南に下った中央海を中心に活動しているレガリア商会の第4女だ。

御令嬢らしく着ている服も動きやすいものだが見る人が見ればしっかりした仕立てで作られているとわかるものだ。

彼女は全く魅力のない男と政略結婚させられることになり、いくらかの商品と自分の従者を連れて家出してしまったのだ。しかし追手をまくうちに北上しこんな所まで来てしまったのである。


「まったく、4女だから何よ。商会の相続権がないからってあんなキザなだけの男が相手なんて真っ平よ」

「それで、これからどうします?」

「何とか船を直して南のどこかで商品を売りさばいてそれを元手に別の商売をするしかないわね」


(きっと、いや絶対おじさまは私を破門してるだろうし⋯⋯それどころか下手すると手配されてるんじゃ)


 その時、僅かな物音を聞きつけパッキーはシオンを引き倒し船の影に押し込む。


「お嬢、出来るだけ身を低くしていてください」


そう言うと自身も船の陰に隠れ、物音のした方を睨む。

手には石弓クロスボウを構えいつでも撃てる様にしている。

だが睨む先には白樺の木々と青々とした下草が揺れているだけである。


(気のせいか? 蛮族に凶暴な野生動物、辺境の陸は危険だらけだ。さっさと離れるに限る)


 また再び物音がする。今度はさっきの場所より近くで音が鳴っている。

パッキーの耳は人間よりはるかに遠くまで正確に聞きとおすことが出来る。

音が近づいたことでそれが何なのか分かって来た。

2足歩行をする生物が2~3人、亜人ならまだ会話もできようが魔物だと会話もできそうにない。

最悪である。


 現れたのは、緑の肌(グリーンスキン)の人間の子供ぐらいの背丈の小鬼、ゴブリンたちだ。

動物の革から作られた服を着ており、手には石でできた雑多な武器を持っている。

おそらく周辺にゴブリンたちの集落があるのだろう、最悪の展開だ。


 更にその奥から新たな闖入者ちんにゅうしゃ、スケルトンだ腕利きの死霊術師であっても1体を操るのが精々のスケルトンが4体ほどゴブリンたちの後ろに連なっている。

ゴブリンがこれほどの魔法を行使できるなどあり得ないことである。


「あのゴブリンたち、案外こぎれいね⋯⋯⋯来ている服もそれなりの加工されている?」

「お嬢様は隠れて⋯⋯なんですって?」

「交渉の余地はあるかもしれないって言ったのよ」



 高価だが使いずらいスケルトンと言う存在、武装などは蛮族そのものでありながらその身をこぎれいにしているゴブリン。こんな北の地方で定期的に水浴びをしている? まさか湯を沸かしているの?

そのくせ貧弱な武装のゴブリンたち。何かが歪であべこべだ。

交渉さえうまくできれば商売の種になりそう。シオンは唇をペロリと舐める。


 彼らにざわめきが生じる、ゴブリンたち、そしてスケルトンを操る者たちの代表が現れたのだろう。

商人たるもの舌先三寸でピンチを乗り切り商機につなげなければ。


 シオンは新たに表れた銀髪の少女を見て一瞬息をのむ。

その瞳は傷のないルビーのようにこちらを見透かすように輝いている。

少女が口を開く。


「はじめまして、わたしはここの主の麻央マオといいます。本日はこの村にどんな用事があって来たのですか?」

「商売でこの近くの領地に来たのですけど間違ってここに座礁してしまったのです」


 まずは牽制、この近くの領地と言えばマカイ東部最大の領主であるスレイジ卿とその寄子領地ばかり。

親の取引相手に無体な事はしないだろうし、関係がなくても大勢力を敵に回すことは控えるはず。


「まあ、それは大変ですね。我々としてもあなたを助けたいと思っているのですがこう山奥に住んでいると色々なものが不足しがちでいくらか融通して欲しいのですよ塩とか、特に塩とか。後出来れば鉄も融通してもらえたらうれしいですけど」


 取りあえず、取りやすい塩の樽をひったくって逃げ出したのは正解だったようだ。

考えるまでもなく、こんな山奥での生活では塩の補給は死活問題になる。なんでも山奥に住む蛮族は土を舐めて塩分を補給しているらしいが人間そこまで落ちたくないものだ。

彼らが必要としている者は分かった。鉄と塩鉄板だ。塩はともかく鉄は中々融通は難しいところだ。

次は彼らから何を手に入れられるかだ。


「そうですね、しかしこれらの塩はすでに買い手が決まっている商品でして。買い手に説明する分だけの何かがないとわたしとしては手放せないんです」


 細かい交渉の末、わたしは塩1樽を動物の毛皮20枚と交換することにした。

そしてもう1樽を渡すことで船の修理代とした。船が直るまでしばらくこの村で厄介になるつもりだ。

この村には他の商人の出入りはない。うまくいけばこの村を独占できるかも⋯⋯⋯うふ夢がひろがリング。

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