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GothiPico ようこそ、地上の楽園へ  作者: 岡座 道糞
高度成長時代 名付けて大躍進!
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反射炉に転炉 鋼の時代へ

 ”反熱石”、その石の本当の性質は熱を蓄積することでも常に冷気をまとう事でもない。

その性質とは”熱”を完全に反射するという性質なのだ。

故に熱で膨張も縮小もしない、熔解もしない。


 これはとんでもない物質だ。 

大部分のエネルギーはロスされるだけで仕事には使われない。熱効率を100%にすることはできない。

そのためには『質量ゼロ』『摩擦ゼロ』『熱伝導ゼロ』の三つのゼロを達成しなければならない。


 もちろん、そんなもんは無い、前の世界では。

そのありえざる代物がわたしの前にあるのだ!! 


 人の歴史は熱との共存と対決の歴史だ。

炉を作っても熱のほとんどは周囲を暑くするだけで鉄を溶かすのには、さほど使われない。

あらゆるところに逃げ回り、弱い物ばかり殴りやがる熱野郎に鉄鉱石と木炭だけを殴らせるのだ!


 

 大工頭は道具を使い潰しながら石を加工してゆく。

道具を使い潰すことにブツブツ文句を言っているが許せ! すぐに百倍ぐらいにして返してやる。

作るのは鍛冶長だがな。



 高さ10メートルの炉はさながら巨大な三角フラスコのようで、原料投入口にも熱反石で蓋をして熱を逃がさない作りになっている。


 炉の下の燃焼室で火をおこし、上から木炭と鉄鉱石と石灰石を交互に入れてゆく。

水車とふいごにより勢いよく風が送られ炉の中が赤々と燃え上がる。空気を送り込むのは重要だ木炭を燃やすだけでなく、木炭にはしっかりと一酸化炭素になってもらわなければならない



 鉄を還元するには木炭を不完全燃焼させて一酸化炭素くんを作らなければならない。

二酸化炭素君はお呼びでないのだ。石灰石はリンとか硫黄とか鉄を脆くする不届きを除去する。

これなしでまともな鉄を作れるのは余程、高品質な鉄鉱石ぐらいだ。

わたしは鉱石の良し悪しなど分からないから投入しておく。たしか入れてもデメリットはなかったはず。


 やがて鉄がドロドロに真っ赤に溶けた鉄の液体が下の炉口から流れ出る。

取りあえずこれで”鉄”はできた。

もっともこれを使い物にする工程が最も難しいのだ。

人類はより使いやすい強固な鉄を得る為に色々な方法を試してきたわけだが⋯⋯⋯

わたしはこのチートマテリアルの力で一気に歴史をショートカットすることが出来る。



 鉄は炭素の含有量の少ない順に錬鉄れんてつ鋼鉄こうてつ銑鉄せんてつに分かれる。

錬鉄れんてつは柔らかく硬さに欠けるが加工しやすい鉄だ。

高炉で溶かしただけの鉄は銑鉄せんてつとなる。木炭から炭素を勝手に喰いやがるせいだ。


 実際に使う鉄は鋼鉄か錬鉄なのでこの鉄から炭素を抜く作業をしなければならない。

はがねとは鉄が丁度よい塩梅に炭素を喰っている鉄なのだ。

ではどうするか? ドロドロの鉄に空気を通す管を通し直接空気を送り込むのだ。

こうすることで、鉄の中の炭素やらリンやら硫黄やら不純物が燃えて消えてゆく。


 ついでだ、この炉を作るのに使い潰した工具類も放りこんでおこう。

後は型に入れて冷やしてゆけば完成だ。



 ゴブリンとドワーフの鍛冶師たちは、完成した鋼のインゴットをみて目をく。

まあ、当たり前だろう。鍛冶師たちは鉄を何度も焼きいれしたり炭素と混ぜ合わせてりして、ひたすら唯ひたすらに鉄を叩きまくってやっとわずかな鋼鉄を作り出しているのだ。


 こんな短時間にこんなに大量に鋼鉄が生産されるなど夢物語でしかないだろうから。

とはいえ彼らの仕事がなくなるわけでない。

実際に道具を作るのは彼らだしハンマーでたたくことで鋼鉄は更に強化できるのだ彼らの技術が無駄にはならない。


「信じられん確かに鋼鉄だ。こんな量をこんな短時間で⋯⋯マオ様は一体どんな魔法を使われたのですか」

「取りあえず、ベッセマーさんマジパネエっすとだけ言っておこう」


 いやあ、計算通り事が進むのって素晴らしいね。

鋼鉄の大量生産により一気に開拓も進むぞ、素晴らしい。


「ベッセマって誰だ?」

「分からん、はるか昔に存在した錬金術師ではないのか?」


 ん~しかしこの調子で生産するとあっという間に領地内の需要は供給できるな。

さりとて輸出するには湖に面する波止場では輸出力が足りない⋯⋯⋯

まっそこらへんはおいおい考えるとしますか。



※※※※※ ※※※※※ ※※※※※ ※※※※※



 基礎工業の発達は即座に軍事力に反映される。

この新しい”鉄”は以前の物と違ってあらゆるものが違うのだ。


 鉄砲の銃腔の厚さを小さくすることが出来るようになり、より銃身の長く弾丸がピッタリの物を使っても破裂しなくなった。これによりミニエー弾の採用が可能になったのだ。


 ミニエー弾は弾の後ろがくぼんだ弾丸で発射時の熱と圧力で後ろが広がることで銃身にピッタリとなり命中力と装填能力の両方に恩恵を与えるすぐれものである。

また部分的にライフリングを施したものも採用している。

最も職人の手作業でしかも慣れていので少ししか生産できていないが⋯⋯⋯


 大砲も馬につないで比較的楽に運搬できるようになった。

大砲戦力を確保する事で戦闘に置いては時間を味方につけることが出来る。

そんなにボコボコ命中するものではないが有ると無いとでは雲泥の差である。


 さらに、軽量の鉄材を使用できるようになり秘密兵器を運用できるようになる。

大量の円筒を作らせ軍事力の底上げを図る。

戦闘に置いては重火力と軽火力の両方を整備することが肝要なのである。

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